2013年1月27日日曜日

ウルトラマンマックス 視聴記-15(第24話)

第24話 「狙われない街」

 実相寺監督作品。オープニングからして、ちょっと違う。今回は明確にセブンの「狙われた街」の後日談という位置づけ。場所も同じ北川町で、もちろんメトロン星人。

 ケータイ文化の風刺がありつつ、単なる風刺に終わっていなくて、それがメトロンの戦術に組み込まれている。ただし、その目的は地球の征服ではないという辺りが「ねらわれない」の意味。

 メトロンは何と寺田農!仮面ライダーWの園咲琉兵衛でドーパントの総元締めをやる前にメトロン星人をやってたとは!実相寺さん作品の常連だからこそ成し得たキャスティングなんだろうか。

 いちいち画面を傾けたり歪ませたりするアングル、実相寺さんだなあ。でも、そのお陰で、なにげない風景まで変わって見えるのが面白い。「わたしがこの星の住人ではないからさ」なんて、寺田さんの言い回しの妙も相まって、カッコいいセリフだなあ。

 「メトロン?」「けんちゃん!」一体何なんだ、この辺りのくだりは(笑)。できれば、メトロンと下町の人々との交流シーンがもうちょっとあったら面白かった。

 「悪いやつじゃないんだ」とは刑事のケンちゃんのセリフだが、仮にも地球を征服しようとやってきた宇宙人が「悪いやつ」じゃないというのはどうよ?そんなケンちゃんは、街の荒廃にメトロンが怒っていると言うけど、つまり怒りを募らせているのはメトロンじゃなくて実相寺さん?

 前回と変わらず、下町でちゃぶ台をはさんでの対峙シーン。お茶を吹き出すカイトの演出、面白い。「おいちいー!」などと、ちょっとハジけた寺田農の演技も、どことなく江戸ッ子っぽい感じも入り交じって面白い。入り口にいたシーボーズやゴドラ星人は本物って設定?「悪さをしないで、さっさと去れ!」と力むカイトが、通り一辺倒のセリフしか言わない役人っぽくて、これ、実は狙ってる?常に犬や猫の鳴き声など外界の音が存在しているというのがまた味わい深い。セブンの時もそうだった。

 夕陽を浴びてたたずむ巨大化メトロン。ジョーンズじゃないけど、この惑星の夕焼けは美しい、ってところか。去りがたき思いもあったのかも。「陰影礼賛」などと口走るが、メトロンは谷崎潤一郎がお好きだったんですか。子供には分からんだろ!

 最後のミズキの「でも」のくだりは一体、何なんでしょう。幾ら何でもちょっとやり過ぎでは?これはウルトラQでやった実験的な作品以上に前衛的だよ。「胡蝶の夢」もそうだけど。「子供向け」の領域を超えすぎてやしませんか?とは言え、マックスの中でも必見エピソードであることに変わりはない。

 ところで途中で出てくる科学調査を行う機関、PSRIって、確信犯?(怪奇大作戦の「SRI」)。研究員も微妙に岸田森っぽいかも。

ちょいデキ! 青野 慶久(著)


【要約】
・サイボウズ社の社長(40代前半)による、すごい仕事術ではなくて、ちょっとした工夫でできる仕事術

【ノート】
・「新書がベスト」出だが忘れてた。家内が読んでいたので読んでみた。

・「実は他人を喜ばすことで、いちばん収穫を得ているのは自分なのです。」(P81)

・「自分にとってイヤな人は、自分を鍛えるトレーニング相手に最適です。」(P123)

・松山真之介という人の本紹介を参考にしているとのこと(P150)

・背中をもたれかけなければ三半規管への振動が伝わりにくくなり、乗り物酔いしにくくなる。(P193)

2013年1月26日土曜日

心を操る発声法 できる人は声を使い分けている 高山華奈 (著)

・図書館からのお知らせで知った(阪コミは面白そうな本を出版している印象があるので、図書館の「入荷お知らせ」に登録してる)。

・今回は久々のハズレ。声優の技を理解するのに役立つかと思ったのだが、新たな発見はほぼなかった(ゼロではない)。

・ツアコンにはどんな声が向いてて、詐欺師に向くのはどんな声、というようなことが書かれており、心理学的な感じがするが、その根拠は主観の域を出ていない。

・あとがきで「この本が単なる発声本ではなく、人の心の隙に入り込んでマインドコントロールしていく発声指南本だということにに気づいていただいたことでしょう」 って書いてる辺り、正直、「何言ってんの?」と思ってしまった。ただ、タイトルのあざとさから察するに、この辺りは編集者が書かせたんじゃないかなという気もする。

アダプト思考 予測不能社会で成功に導くアプローチ ティム ハーフォード (著)

【要約】
・生物(グッピーの例)のように、状況の変化に対応、アダプトしていく。
 ただし、今の社会は複雑で密結合になっており、失敗の連鎖がドミノのように巨体で制御不可能なものになることもある。
 よって、セーフクッションをはさみ、結合度合いをゆるめて複雑さを減らし、影響が限定的な状態で失敗を繰り返していくのがよい。

【ノート】
・何か当たり前のことしか言ってないような気もする。色々な実例は確かに示唆的ではあるが、それで?という感じ。ただし、成毛さんのブログを読むとちゃんと解説されてるので、これは自分との相性の問題か。

・どうも経済畑の本はこれまでに面白く読めたことがなくて、ボヤッとしており、イマイチ相性がよくない。これはひとえに自分の不勉強に起因するのだと思うけど。

2013年1月20日日曜日

税務署員だけのヒミツの節税術 - あらゆる領収書は経費で落とせる【確定申告編】 大村 大次郎(著)

【ノート】
・なかなか個人事業主には役に立つ知識が詰まってる。

・本書と前著を読むまでは全くの確定申告素人だったが、具体的な知識と、基本的な考え方について少し基礎ができたような気がする。後は実践あるのみか!いよいよ今年から確定申告デビューだ!

ガメラ監督日記 金子 修介(著)

【ノート】
・平成ガメラ3部作の金子監督が詳らかにするガメラの製作裏話。対象となるのはG1とG2。また、殆どがG1に関する部分、それも企画スタートからクランクインまでの舞台裏がメイン。

・ガメラに対する思いを、とりたてて飾ることなく淡々と語りつつ、それでも紡いでみたい怪獣映画への思いが語られている。また、大映サイドの思惑や配慮、思いも描かれており、しかも、それに対して金子さんは理解を示しつつ、譲れる部分と譲れない部分を結構バランス取りながら進めていったような描写がある。ちなみに、出資してる日テレと博報堂からの横槍はなかったんだろうか?

・少し脱線するけど、ウルトラマン陣営における電通、仮面ライダー陣営におけるアサツーなど、こういう代理店ってのは、どの程度、作品への影響力を持ってて、行使してるものなんだろう?

・金子監督が押井守の後輩とは初めて知った。ご本人の監督としての来し方も少し振り返りながら、ところどころに炸裂する金子さんの映画に対する哲学や怪獣モノに対する視点というのが、また面白い。

・G2は戦争シミュレーション映画と何かで読んだが、金子さん自身も本書でその言語を使っている(もしかしたらご本人が出典なのかも知れないが)。そうなると避けては通れない自衛隊の描き方というのが問題になってくる。曰く「日本で戦争のことを描くのは50年経っても結構難しい、ということが改めてわかったのである。(P248)」意外なところで加藤典洋の「さようなら、ゴジラたち」とのつながりが見えてきたのも収穫の一つ。

  

2013年1月19日土曜日

ルポ 貧困大国アメリカ 堤 未果 (著)

【要約】
・アメリカにおける貧困層の増大は社会的構造であり、それは軍隊への人員補充という国家的ニーズとも結びついている。

【ノート】
・災害対策、教育、医療、国が担うべき領域を「自由競争」の美名のもとに民営化し、その結果、効率/利益優先の形態になり、本来の対象であった国民のためのサービスから単なる営利活動になってしまった。

・例えば学校給食。アメリカ人の子どもに肥満が多いのは、運動もしないでジャンクフードばっかり食ってるからだと思っていたが、学校給食がカロリーだけ高くて栄養価の低いものを提供してコストを削っているからであって、肥満児童は貧困な環境の証という話。裕福な家庭の子どもは弁当を持たされると。

・例えば医療。出産するのに3日入院して200万円!そんな無茶苦茶な。

・借金までして大学/院まで卒業しても就職先がなく、学資ローンの債務だけは何と破産宣告しても消えない!追い詰められた人たちにとって軍隊への入隊が限られた、ほぼ唯一の選択肢になってしまう。そして、高校生にはじまり、借金に追われている壮年層にまで、聞こえのいい勧誘を行い、実態は全然違う職場=戦場に送り出される、という悲惨な状況が生産されている。しかも、それを行っているリクルーター達も、同じような境遇の貧困層の人々であるという構造には、救いがないようにしか見えない。

・さらには、軍隊ではなく、軍隊が外注している傭兵会社(例えばXeサービス社、本書内ではブラックウォーター社)で雇用すると軍人という縛りがなくなるため、ここでも実態とは違う勧誘文句による勧誘、労働の強制が行われている。「虐殺器官」や小島秀夫の「メタルギアソリッド4」で描かれていたものが想像の産物ではないことを知って戦慄した。

・アメリカという国は思ってた以上に深刻な状態であることを知った。日本て恵まれてるなあと感じてしまう。だが、米軍への勧誘はアメリカ国内に限定されてはいない。フィリピンや中国、インドでもリクルーターは暗躍している。もし、日本が似たような構造になっていき、我々が貧困層に転落し、養わければいけない家族がいたらどうするだろう?
 「もはや徴兵制など必要ないのです」「政府は格差を拡大する政策を次々に打ち出すだけでいいのです。経済的に追い詰められた国民は、黙っていてもイデオロギーのためではなく生活苦から戦争に行ってくれますから」(P177)

・この本が出版されたのが2008年で5年前だから、今はどうなっているのか。この本は続編も出ているので、是非読んでみよう。また、この本に対する批判本も出ているみたいなので、そちらも併せて読む必要がありそう。

・堤未果は「ラジオ版学問ノススメ」でも聞いたが、訥々と語る印象だった。9.11までは証券会社勤務だったらしい。

・余談だが、この「ラジオ版学問ノススメ」はPodcastプログラム。iPhone等のiOSだけでなく、今はAndroid用でもPodcastを購読できるので、通勤時間などにはオススメ。なお、パーソナリティーの蒲田さんは北大文学部。知り合いではないが、年齢的には自分と少し重なってたかも知れない。

  

2013年1月15日火曜日

ウルトラマンマックス 視聴記-14(第23話)

第23話 「甦れ青春」

 今回の舞台、ミノス島って、ギリシャ神話?あれは島じゃなくて人名だったけど。それに加えてポセイドン基地って、やはり何らかの符号を読み取るべきなんだろうけど、分かりませんでした。

 ポセイドンは国際的な基地なんだろうから、もうちょっと外国人が多くてもいいかなと思った。ダテ博士役は初代マンのイデ隊員!トミオカ、ヨシナガ、ダテの3人の戦友っぷりってのは、視聴者サービスなんかじゃなくて、俳優さん自身に対するサービスなんじゃないだろうか。

 カイトと隊長との通信に割り込んでくるミズキの笑顔がかわいい。そんなミズキをめっちゃ横目で見てる隊長。見すぎ(笑)。

 ポセイドン基地を目指す怪獣出現!トミオカ長官の口から語られる人類の身勝手さと環境破壊。高度経済成長のツケが怪獣の形を取って現れており、これは未来の世代に対する負の遺産であり、それを清算するのが自分達世代の使命なのだと。これ、なにげに大事な再確認かも知れない。宇宙人はいざ知らず、地球上で出現する怪獣は人類に責任があるというスタンス。

 特殊潜航艇の発進シーン、いい感じ。また、今回はパイロットとして活躍するハヤタ、もとい、トミオカ長官の表情もよい。懐の深い歴戦の勇士、という風格が本当にうまく出ていたと思う。

 今回はマックスの戦闘シーンも時間が長くてかなり堪能できる。ドロップキックも決めるぜ!一度、マックスのフランケンシュタイナー、見てみたいなー。

 合流シーンでは、もう、まっすぐにカイトに駆け寄るミズキ。そろそろ周りも公認になりつつあるんじゃね?あと、ダテ博士萌えなショーンがかわいい。

2013年1月13日日曜日

チェンジはどこへ消えたか オーラをなくしたオバマの試練 冷泉彰彦 (著)

【ノート】
・アメリカ大統領の任期中の功罪など、なかなか知る機会もないので興味深く読んだ。

・アメリカ国民の空気感描写については、現地にいるからこそ、ということではあるけど、なるほどと思わせる箇所と、ちょっと不当な一般化では?と思わせる箇所が混在していた。

【目次】
1. 2012年、問われた選挙戦
2. 空振りに終わった「チェンジ」のメッセージ
3. 医療保険改革の政治的プラスマイナス
4. オバマの経済製作、その失敗の本質とは?
5. ウォール街選挙デモという「オバマ離れ」の光景
6. なぜオバマはビンラディンを殺したのか
7. 「アラブの春」を巡り、揺れ動いたオバマ
8. オバマ政権の「2期目」はどうなる?

あらゆる領収書は経費で落とせる 大村 大次郎 (著)

・たまたまアテネ書房で目にした。

・この辺りの知識、ほぼゼロだったので面白く読んだ。「キャバクラ代も経費にできる」「ジムやレクチャー費用は福利厚生費で」「旅行は研修費、ただし、レポートは作っておくこと」など。

・「領収書は宛名がないと無効」「接待費として認められるのは一次会までで、二次会なダメ」など、一般に信じられているものが実は全然そんなことはない、というのが分かったのも収穫。領収書すら必須ではない。いざとなって、とことん調べられるような状況になれば、あった方がいいんだが、「証明する義務はこちらではなく税務署サイド」というのが基本。もちろん、明らかに脱税行為、虚偽申告をした場合、それを証明されると、ペナルティとして追徴課税。

・書いているのが元税務官というのもあるが、「脱税の裏技」ではなく、会計の基本的な考えを示しつつ、払う必要のないものを、口からでまかせを言うような税務官に騙されて払う必要はないということを教えてくれる本。

2013年1月12日土曜日

ウルトラマンマックス 視聴記-13(第21〜22話)

第21話 「地底からの挑戦」

 タイトルからすると初代マンのゴルドンを想像させるが、正確なタイトルは「地底への挑戦」だから、方向が入れ替わっちょる。出てくる怪獣はゴルドンではなくゴモラ。

 最初に偶然ビデオカメラで撮影されたゴモラは小さくてペットサイズ。GSTEという怪しい団体に生物兵器として利用されているゴモラというのが今回の基本プロット。GSTEは「God Save The Earth」。どこぞの団体を揶揄してるのか。

 ウノ博士のマッドサイエンティストっぷりは、初代マンでジラースを育てた二階堂教授を連想させるが、あちらの方が純粋だったかな。

 切り落とした後のゴモラのしっぽに最初は苦しめられながら、それを武器として利用するマックス、状況に「アダプト」しちょる!こういう描写があるとマックスが戦闘のプロっぽく見える。

 ゴモラがちょっと可哀想と思える描写もあり、人間の都合で生物兵器として利用されてるだけという印象が残る。そう言えば初代マンの時でも見世物的な扱いだったな。

 それにしても、ウノ博士を憎む一人娘と閉じ込められてしまった後のヒジカタの演技はちょっと...。せっかくスポットがあたった回なのに。この辺りは本人の演技なのか演出なのか。

第22話 「胡蝶の夢」

 今回のキーパーソンを演じるのは何と石橋蓮司!本作の約5年後には「ディケイド」の映画で死神博士を演じることになるわけで、ベテランなのに何という姿勢なんだろ。どこかの対談(確か春日太一?)で、いつまでもチャレンジングな俳優でいたいということを語っていたが、これもそういう気持ちのあらわれなのかな。

 今回の石橋蓮司の役どころはテレビ番組ウルトラマンマックスの脚本家、蓮沼征夫。メタ・フィクション!オープニングからして、ちょっと違う。この辺りは監督が実相寺御大だからこそ許されるのか。

 寝ているうちに、カイトと蓮沼が夢の中で入れ替わる。カイトは怪獣の造型師の女に怪獣のアイディアを与えて、魔デウスの創出に一役買うことに。そのシーンを見ている蓮沼は、自分が担当しているマックスのシナリオにそれを描写していく。

 魔デウスが出現したマックスの世界と「こちら側」の世界とで入れ替わってしまったカイトと蓮沼。蓮沼のワープロの前に座っているカイト、DASHアルファの横で魔デウスの出現を目の当たりにしている蓮沼。DASHの制服を着ている石橋蓮司!

 今回も、カイトは素早く状況にアダプト。蓮沼にマックスへの変身を指示し、しかも、「向こう側」のマックスの世界を紡ぎ出している蓮沼のワープロに、マックスが戦う様子を素早く入力していく。すげえな、カイト。

 魔デウスのデザインはエヴァに出てきた第12使徒、レリエルっぽい感じも。球体の中から本体を割って脱出するというのも似てると言えば似てる。ちなみにエヴァのTVシリーズはマックスの約10年前。

 蓮沼は、今、我々がいる現実の世界に属している設定なのかと思っていたら、彼が打ち合わせ中に居眠りを始めると魔デウスが出現!慌てて起こす監督達。蓮沼も誰かの頭の中から生み出された存在?つまり、この「魔デウス」が今の我々の世界とリンクして出現する可能性もアリ?境界線が分からなくなってくる。「カイト」は「蓮沼」の夢なんだが、「胡蝶の夢」に託して語られてるように「蓮沼」が「カイト」の夢なのかも知れない。となると、「蓮沼」は我々の世界の夢なんだが、我々の世界は「蓮沼」の夢ということになるのか。

 これ、子供が見て分かる作品じゃないよな。でも強烈なインパクト(場合によってはトラウマ?)を残すことは確実。実相寺さんだからこそ許される作品という気がするが、これはプロデュース側の発案なのか、実相寺さんの発案なのか。いずれにせよ、プロデュース側の懐の深さが分かると言ってよいのではないか。

2013年1月3日木曜日

ウルトラマンマックス 視聴記-12(第19〜20話)


第19話 「扉より来たる者」

 夕日をバックにした戦闘シーンからスタート。しかもマックスが敗れる!夢オチだったが、寝坊したカイトを起こしに来たミズキがカイトの寝起きのパンツを見てパニックるのがちょー可愛い。

 モロボシダン登場!オザキ博士という役柄。老眼鏡装着時にウルトラアイのポーズというのはお約束。

 遺跡のパズルで扉出現。扉から出てきたダーラ星人って、スター・トレックの宇宙人みたいなデザイン。扉の向こうの世界の3つの太陽がシュールな感じ。連れ去られてしまうミズキ。

 ミズキの無事を祈るエリーがまた可愛い。しかし、ミズキ救出のためとは言え、DASH全員で向かっちゃっていいのか?エリーまで。

 古代人が宇宙人であるダーラ星人と仲良く交流していたというプロットは斬新。お互いに戦をしてしまう愚かな人類を「強大な力で」まとめ、導こうとしたダーラ星人と、独立を尊重するようにお節介をやいた「M78星雲人」。登場怪獣ギルファス、ちょっとカッコいい。「戦神」ということらしいが、ちょっと「帰ってきた」のコダイゴンっぽい印象を受けた。

 アクティブモードのエリーにビックリ。銃を高精度で命中させるだけではなく、もっと色々とやって欲しかった。それにしても上着、脱ぐ必要あるの?いや、嬉しいんだけど。

 十字架にかけられているミズキ、駆け寄るカイト。この時のミズキがカイトに向ける表情。絶対、もう惚れてる!

 戦闘シーンは大変カッコいいカットが多かった。低めの視点からのアングルというのもそうだが、アクションそのものが、おざなりではない。特に、ギルファスに組み伏せられながらのマクシウムカノンに、思わず膝を打った。こうでなきゃ!いつもお決まりの間合いとポージングで必殺技を出すんじゃなくて、こういう体勢からの必殺技の使い方。セブンに通じる戦闘のプロっぽさを感じる。

 扉からの脱出時、ミズキがついに「カイト」っつった!コバ、しんがりのお務めっぷりがカッコよし。ハヤタとダン、じゃなかった、長官と博士の友情の描き方も、ちょっと強引だけど、これはこれで許容範囲かな。

第20話 「怪獣漂流」

 出だしのナレーションから既にスラップスティックな予感。山口家の食卓で、何でテレビでマックスやってんだよ!しかも山口家はお父さんが小野寺丈(石ノ森章太郎のご子息)に、お母さんが芳本美代子!

 クラウドス。熟睡中でぷかぷかと浮かびながらの登場。今回もエリーが若干はじけ気味で「ビックリ確率100%」て。「隊長ってば!」という通信越しでのミズキの絶叫も印象的。なお、ベースプロットは初代マンの「空の贈り物」、スカイドン。スラップスティックであるというのも含めて。

 学生のブラバンのDASHへの応援がそのままBGMというのも面白いし、暴走族に対するミズキのパントマイムも可愛くておっかしい。ちなみに鐘を撞こうとする住職、演歌歌手、暴走族のヘッド、みんな同じ俳優さん。

 しかし、何だかんだ言いつつ、亜空間トンネル関連の設定は、なにげにちゃんとSFしてるってのがエラい。また、おちゃらけてても、暗い状態でのマックスへのライティングなんかは印象的なものが多かったり、少し実験的で面白いものがあったりして、さすが。

 戦闘中にクラウドスを持ち上げようとして、あまりの重さに体勢を崩しちゃって、BGMもスローダウン、というパターンは「空の贈り物」の時からのお約束、と言うかオマージュと言っていいのかな。ついでに、戦闘中にご神木を倒して焦るマックスが可愛い。思わず笑ってしまった。

 前にも書いた通り、怪獣やウルトラヒーローがおちゃらけた仕草をすることには否定的なんだが、なぜかマックスでは気にならない。もちろん、マックスは、おちゃらけた動作よりも洗練された戦い方や、ここぞという時の見栄えのするプロレス技を放ってる時の方が魅力的なんだが、だからと言って、おちゃらけた動作が、それほど鼻につくわけでもなく、素直におかしく受け止めることができている。この辺りはスタッフのセンスやバランス感覚のよさなのか、それとも根っからのマックスファンになってしまったからなのか。

スギハラ・サバイバル 手嶋 龍一 (著)

・前作「ウルトラ・ダラー」のコンビがまた活躍!というような帯なんだが、相変わらず「インテリジェンス」小説なので、イマイチ地味。ただし、そこで披露されている歴史の裏側の描写や、現在進行形と思われるインテリジェンスの片鱗については、一つ一つが面白い。特に、終盤で語られるオバマを狙う黒い悪意というのは、手嶋さんがラジオ番組の中でも言及していたことなので、かなり現実性の高いインテリジェンスなのかも知れない。

・スティーブンもマイケルも、そこそこ魅力的だけど、「またこの二人の活躍が見たい!」というほどの動きがないんだよなあ、何と言っても頭脳プレイだから。この辺りはアクション映画好きな単純な自分には、ちょっと物足りないところ。

・ソフィーの人生については、もう少し語ってほしかったかも。なお、タイトルの割には杉原千畝に関する描写がちょっと少なくい印象。

・それにしても、手嶋さん自身は北海道出身なんだが、前作でも今作でも、妙に関西弁のおっさんが活躍と言うか魅力的に書かれてるなあ。

2013年1月2日水曜日

ウルトラマンマックス 視聴記-11(第17〜18話)


第17話 「氷の美女」

 南極から10万年前と推定される女性の冷凍体が発見され、ニーナと名付けられる。怪獣を攻撃するUDFオーストラリアの勇姿が見られるのはよい。美しいニーナの姿に見とれる隊員達に対して、妙に理解のあるお姉さん的言動のミズキ。結構、しっかり者なのか。

 ニーナとコバとの関係性がピンと来ない。コバは単に10万年前の眠れる美女に恋をしたっていうだけなのか?しかも、外見だけで?だとしたら、ちょっとダッシュの隊員としてどうなの?という感じ。コバへのスポットのあてかたというか描写の仕方は悪くないと思ったが、ストーリー展開には無理がある印象。ニーナがコバに対して自分を撃てないだろうと自信満々で言い放つシーンがあるが、その根拠がさっぱり分からん。「あたしにぞっこんなんでしょう?」ということ?挙句の果てには、コバに撃たれて倒れる時の思わせぶりな微笑。仮面ライダークウガのラ・バルバ・デ(バラのタトゥーの女)と一条のような関係だったらこういった微笑は印象的なものになるんだが、このストーリーの中ではさっぱり意味が分からなかった。10万年前という壮大なタイムスケールの割にはいまひとつ、印象が薄い回だった。

第18話 「アカルイセカイ」

 夜がなくなってしまった日本。冒頭では驚愕のカイトとミズキのデート!?シャマー星人の人間態がヒジカタに「あんた、バカ?」とは核心を突いた発言。今まで隊員も視聴者も思ってたところを代弁してぶっちゃけてくれたのか。ふざけて、おだってる(北海道弁)けど、結構強敵なシャマー星人。巨大形態のオナラ爆発は「やっちまった」感炸裂!ただしこの場合はいい意味。しかも通常攻撃よりも火薬の使い方が派手。スタッフも楽しんどるな。

 戦闘シーンでのマックスとミズキの連携は無理がない。大抵の場合だと、思い出したかのように隊員がアイデンティティーに目覚めていじけてみたりして、それを察したウルトラマン側が無理して隊員に花を持たせる形で敵を倒してチームワークだとか絆礼賛、なんてパターンが多いのだが、マックスではそんな展開はしない。マックスが宇宙空間に飛んでいけない理由が物語の前半でちゃんと描かれているというのも抜かりがない。マックスとミズキの役割分担は正に以心伝心なチームプレイ。そして、最後はちょっとしたシャマー星人のお遊びもありつつ、カイトとミズキのデートシーンでしめくくる。花火を見てお互いの顔を笑顔で見ている二人がいい感じ。ミズキ、可愛いなあ。

 それにしてもマックスとカイトの人格というのは、どういうバランスになってるんだろうというのが少し気になってきた。カイトの人格や情報は、マックスに変身(と言うか身体委譲?)時、どの程度、共有されてるんだろう?