2013年8月28日水曜日

世界を動かす海賊 (ちくま新書) 竹田 いさみ (著)

【要約】
・海路は日本にとって生命線であるが、航行を脅かす海賊がアジア、アフリカで活発に活動している。各国が連携・協力体制で対応にあたっている中で、日本もイニシアチブを取って航行の安全を図っている。また、対象となる国には、海賊をしなくても経済活動ができるような支援も行われている。

【ノート】
・ソマリア海賊が結構、ヤバイ。その台頭には、かつての漁師の網元みたいな連中が欧米の傭兵会社に訓練を依頼して、そこである程度のノウハウを得てから海賊化したということがあるらしい。

・海賊に対しては、政治的な駆け引きもあるものの、なかなか各国、いい感じで連携を取っているようだ。その中で、日本もイニシアチブを取って頑張っているらしい。ちょうどタイムリーに安部総理のfacebook投稿があった。http://goo.gl/m3LdDw

・海賊ってのは国外での話なので、その司法権や警察権の行使においては、相手の国と法的な連携を取っておかなくてはいけない。

・日本のタンカーに武装ガードを載せるのが効率的な自衛手段ではあるけど、結局、軍隊や警察でなければ武器の行使は許されてはいない。

2013年8月25日日曜日

絶望しきって死ぬために、今を熱狂して生きろ (講談社プラスアルファ文庫) 見城 徹 (著), 藤田 晋 (著)

・アテネ書房の最終日に目に入った。その時は「買うまでもないか」と思い、「屍者の帝国」だけを買ったが、自分の心へのカンフル剤として、「憂鬱でなければ」な前著の続きを突然読みたくなって購入した。

・なかなか挑発的なタイトルで、amazonのレビューを見ると的外れなことを書いてるものも散見される。著者達にとって、これは狙い通りなのか、それとも、そこまで読解力が低いものかと驚いているのか。なお、自分の理解が正しいのかどうかだって心許ないのだが、正直なところ、「あれもできなかった、これもできなかった」と絶望しきって死ぬために、という考えには同意しかねる。もちろん、見城さんは、「単に絶望して」というのと「絶望しきって」というのは違うとわざわざ強調しているので、まだ自分に見えてないものがあるのだろうとは思うが。

・自分にとっては前作の「憂鬱でなければ、仕事じゃない」の方が響く言葉が多かったような気がする。見城さんの学生時代から続いてきた思想的バックボーンのようなものがかいま見えたのが新しい発見か。吉本隆明って、そんなに影響力のある思想家だったんだな。吉本隆明と言えば糸井重里というのも頭に浮かぶが、見城、糸井、というのはお互いをどのように見ているんだろうな。

2013年8月24日土曜日

エクセレントな仕事人になれ!トム・ピーターズ

 う~ん、なぜ読みたいと思ったんだろう。本の存在を知ったのは阪コミのtwitterだったと思ったが、想像以上に得るところがない本だった。今のところ、自分にとってこの種の本ではD.アレンのGTD本を超えるものはないかも知れない。

明治国家をつくった人びと (講談社現代新書) 瀧井 一博 (著)

・明治を語る時によく出てくる有名人だけではなく、あまり表に出てくることがないエリート官僚を描く、という前口上で期待した。確かに、あまり聞いたことがない名前が出てくるが、紙数が割かれていたのは、やはり有名人。

・明治政府における国家のグランドデザインは、やはり伊藤博文。

・なお、伊藤に絶大な信頼を寄せていた明治天皇は、伊藤の暗殺後、後を追うように、とまでは言わないまでも、元気をなくしたまま崩御した。

・そう言えば、なぜわざわざ¥1,000円札のデザインは伊藤博文から変わったんだっけ?

 

2013年8月3日土曜日

重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る (幻冬舎新書) 大栗 博司 (著)

・なぜか重力に興味がある。これは多分、「重力子」という未発見の(素)粒子が「グラビトン」という名前で、それが大鉄人17の「グラビトン攻撃」を連想させるからだと思う。まぁ、理由としてはその程度だが、重力子を解明すれば、自由に空を飛べるのではないかという夢想も関係しているのかも知れない。

・アインシュタインの相対論を軸に、光速と時空、そこからブラックホールのことについて、科学史的に解説されているのだが、途中でついていけない所がボロボロ出始めて、何とか読了までたどり着いたというのが正直なところ。もっと「重力子」というものについての知見を得たかったのだが、それを得られた実感がないのは、自分の理解力の劣っているのが原因か。本書は、これ以上は無理、と言うほど分かりやすく書かれている、らしい。「らしい」と言うのは、何となくそう感じるのだが、それでも全体の3分の1ぐらいしか理解できなかったからだ。

・そんな中、「超弦理論」に関する記述では「ブレーン」について比較的すっと読めたことが収穫だった。何が収穫だったかと言うと、Newton 2013年1月号の「超ひも理論」特集を読んでいたことが本書での理解につながったという道筋を自分の頭の中で実感できたということだ。

・ちなみにウルトラマンマックスに出てきたダーク・バルタンは、重力を制御する技術を持っていることで光の国の科学力を凌駕していた。巨大化やクローンまではマックスも対抗できたが、重力となるとさすがに敵わなかったらしく、敗北を喫している。ダーク・バルタンが暴れるシーンでは、なるほど重力を制御したものらしく、建物が単純な爆発ではなくボロボロと崩壊していく描写がされており、感心したものだ。

・メモ:・原子→原子核→陽子と中性子→クオーク(粒子だが、最後の粒子=素粒子なのかどうかはまだ分からない)