・文明の発展してきた歴史を概観した上で、これからの世界はネットを中心とした「場」での活動が中心になり、国の境界はなくなっていくというのが本書の骨子。国家という枠組みを強固なものにした西欧文明も、かつては辺境のマイノリティだったわけで、今また、それが移ろっていっても不思議ではない。本書では、帝国全盛の時代から国家と民主主義の興隆への変遷を紹介することでそう主張している。
・「レイヤー」というのは、属性が分解されて、それぞれがそれぞれのつながりを持って広がっていく、というイメージ。これまでが縦割りのパッケージだったのに対して、これからは各人が持っている色々な側面が、それぞれ薄く横につながっていく、というようなものだろうか。
・「不安だけど、アメーバのようにくねくねと動き回りながら、自分の居場所を見つける努力を一生続けること(P268)」というのは示唆的だが、今の日本で、こういう考え方がマジョリティになるにはもう少し時間がかかるのではないかと感じた。
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