・本書を知ったきっかけはamazonからのメール。で、タイトル通り「一万冊を血肉にした方法」が開陳されるのであればと思って読んでみた。
・著者はライフネット生命の創業者。読書家としても著名らしく、honzで書評を書いたり、読書や仕事の流儀に関する本も何冊か出している。ご本人は物心ついた頃から本が好きだったとのこと。
・たくさん読んでいるから随分と斜め読みや速読もやっているのかと想像したが、そうではなく、普通に、真剣に集中して読む、それだけのことだと。それが、サブタイトルの「1万冊を血肉にした方法」ということになり、身も蓋もない感は拭えないかも。
・自分にとって読書家と言えば松岡正剛さん。だが、著者と正剛さんとはベクトルが違う。正剛さんはもっとカジュアルなのに対して、著者は「正座をするぐらいの」真剣勝負で、だから基本的には再読しない派。正剛さんは本への書き込みも再読も推奨しており、本書の著者とは正反対。面白いものだ。
・何かのテーマについて詳しくなりたい時は7〜8冊の本を読めとは、「本を読む本」でもシントピカル・リーディングとして紹介されている手法だが、「分厚い本から始める」というのが本書の個性。いわく「生半可な人では分厚い本は書けないし、出版社も書かせないのでハズレの確率が低い。それに最初に分厚い本で輪郭を掴んでおけば、その後はラク」と。
・古典を読むことの意義がかなり強調されている。どうしても「限られた時間」を言い訳に、比較的読みやすいノンフィクションな新刊を手にとりがちな自分だが、本書によって大いに反省を迫られた。えーと、まずは薄いのから読んでいこうと思います。ちなみに、知り合いの大学の先生に「資本論、読んでないんですよ」という話をしたら、「あんなの読んでる人、そうそういないよ!僕だって何度も挑戦して挫折してるよ」と言われて、ちょっと安心した。
・メモを取りながら、2時間弱で読了。他の本でもこのぐらいで読了できるとよいのだけど。
2014年11月30日日曜日
2014年11月16日日曜日
地方消滅 - 東京一極集中が招く人口急減 (中公新書) 増田 寛也 (著)
・最近、人口減少問題に関するつながりができたため、この分野の本を読み始めた。本書はかつて総務大臣を務めた増田氏によるもので、同氏は現在、日本創生会議の座長。今年(2014)の5月に発表された「消滅する可能性のある896自治体」が衝撃をよんだ(例えば毎日新聞)。
・人口の推移予測は、他の社会学モデルに比べると精度が高いということを知り合いの教授に教わったのだけど、それはつまり、かなりの精度で、上で挙げられた自治体が消滅してしまうということを意味している。
・本書は複数の執筆者による文章や対談を編集したものだが、日本における人口問題を考える時の基本的な概念や術語を把握できる。対策として挙げられているものは総花的だが、これは仕方がない。各地方の特性に合わせて取捨選択するしかないからだ。なお、本書の執筆者達のコンセンサスとしては、地方活性化ということらしいが、例えばホリエモンなんかは、少ないリソースは首都圏に集約するべき、と逆の考え方。
・1章を割いて北海道が取り上げられているのが興味深いと言うか空恐ろしいと言うか。北海道は日本の中でも問題が先鋭化しており、しかも地域特性から言って対策を取るのが難しい場所なので、北海道で有効なモデルが作られたら、大体日本のどこでも通用するだろう、ということで注目されているらしい。なお、この章は北海道のシンクタンクが執筆している。
・ちなみに、人口問題そのものについての基本的な知識を得たいのなら、中公新書の「人口学への招待」が分かりやすくてよい。これも既述の教授に教えてもらったもの。
・人口の推移予測は、他の社会学モデルに比べると精度が高いということを知り合いの教授に教わったのだけど、それはつまり、かなりの精度で、上で挙げられた自治体が消滅してしまうということを意味している。
・本書は複数の執筆者による文章や対談を編集したものだが、日本における人口問題を考える時の基本的な概念や術語を把握できる。対策として挙げられているものは総花的だが、これは仕方がない。各地方の特性に合わせて取捨選択するしかないからだ。なお、本書の執筆者達のコンセンサスとしては、地方活性化ということらしいが、例えばホリエモンなんかは、少ないリソースは首都圏に集約するべき、と逆の考え方。
・1章を割いて北海道が取り上げられているのが興味深いと言うか空恐ろしいと言うか。北海道は日本の中でも問題が先鋭化しており、しかも地域特性から言って対策を取るのが難しい場所なので、北海道で有効なモデルが作られたら、大体日本のどこでも通用するだろう、ということで注目されているらしい。なお、この章は北海道のシンクタンクが執筆している。
・ちなみに、人口問題そのものについての基本的な知識を得たいのなら、中公新書の「人口学への招待」が分かりやすくてよい。これも既述の教授に教えてもらったもの。
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