2014年5月18日日曜日

ジビエを食べれば「害獣」は減るのか―野生動物問題を解くヒント 和田 一雄 (著)

・素人が雑感をエッセイ的に綴ったという印象(ここで言う「素人」とは文筆家として、という意味)。編集者がきちんとした仕事をしていないらしく、日本語のクオリティと構成のクオリティ両方が低い。タイトルにも偽りアリで、結局、「ジビエを食べれば害獣は減るのか」それとも減らないのか分からないし、そのテーマに対するまとまった言及は「あとがき」部でのみというお粗末さ。これ、2,400円も出して買うのは身内、関係者だけだろうな。あと、図書館と。

・とは言え、北海道のシカ問題の経緯や、自分の職場でも最近関係しつつあるアザラシ問題についての概要を把握できるのはよい。やっぱりシカの数を減らすにはオオカミ復活ですかね。「いたものを復活させる」から生態系的に問題はないという主張には賛同できる。しかし、かつて日本にオオカミがいた時、ヒトが襲われたことはないので大丈夫と言ってるが、本当?

【目次】
1部 陸の獣たち
 どうやって野生動物の被害を防ぐか
 ニホンザルの生態と保全
 憧れのユーラシアへ

2部 海の獣たち-鰭脚類の生活と保全
 オットセイの回遊調査
 漁業被害とは何だろう-ゼニガタアザラシから考える
 繁殖場のオットセイ
 トドの生活

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