2014年11月30日日曜日

本の「使い方」 1万冊を血肉にした方法 (角川oneテーマ21) 新書 出口 治明 (著)

・本書を知ったきっかけはamazonからのメール。で、タイトル通り「一万冊を血肉にした方法」が開陳されるのであればと思って読んでみた。

・著者はライフネット生命の創業者。読書家としても著名らしく、honzで書評を書いたり、読書や仕事の流儀に関する本も何冊か出している。ご本人は物心ついた頃から本が好きだったとのこと。

・たくさん読んでいるから随分と斜め読みや速読もやっているのかと想像したが、そうではなく、普通に、真剣に集中して読む、それだけのことだと。それが、サブタイトルの「1万冊を血肉にした方法」ということになり、身も蓋もない感は拭えないかも。

・自分にとって読書家と言えば松岡正剛さん。だが、著者と正剛さんとはベクトルが違う。正剛さんはもっとカジュアルなのに対して、著者は「正座をするぐらいの」真剣勝負で、だから基本的には再読しない派。正剛さんは本への書き込みも再読も推奨しており、本書の著者とは正反対。面白いものだ。

・何かのテーマについて詳しくなりたい時は7〜8冊の本を読めとは、「本を読む本」でもシントピカル・リーディングとして紹介されている手法だが、「分厚い本から始める」というのが本書の個性。いわく「生半可な人では分厚い本は書けないし、出版社も書かせないのでハズレの確率が低い。それに最初に分厚い本で輪郭を掴んでおけば、その後はラク」と。

・古典を読むことの意義がかなり強調されている。どうしても「限られた時間」を言い訳に、比較的読みやすいノンフィクションな新刊を手にとりがちな自分だが、本書によって大いに反省を迫られた。えーと、まずは薄いのから読んでいこうと思います。ちなみに、知り合いの大学の先生に「資本論、読んでないんですよ」という話をしたら、「あんなの読んでる人、そうそういないよ!僕だって何度も挑戦して挫折してるよ」と言われて、ちょっと安心した。

・メモを取りながら、2時間弱で読了。他の本でもこのぐらいで読了できるとよいのだけど。

0 件のコメント:

コメントを投稿