・人口の推移予測は、他の社会学モデルに比べると精度が高いということを知り合いの教授に教わったのだけど、それはつまり、かなりの精度で、上で挙げられた自治体が消滅してしまうということを意味している。
・本書は複数の執筆者による文章や対談を編集したものだが、日本における人口問題を考える時の基本的な概念や術語を把握できる。対策として挙げられているものは総花的だが、これは仕方がない。各地方の特性に合わせて取捨選択するしかないからだ。なお、本書の執筆者達のコンセンサスとしては、地方活性化ということらしいが、例えばホリエモンなんかは、少ないリソースは首都圏に集約するべき、と逆の考え方。
・1章を割いて北海道が取り上げられているのが興味深いと言うか空恐ろしいと言うか。北海道は日本の中でも問題が先鋭化しており、しかも地域特性から言って対策を取るのが難しい場所なので、北海道で有効なモデルが作られたら、大体日本のどこでも通用するだろう、ということで注目されているらしい。なお、この章は北海道のシンクタンクが執筆している。
・ちなみに、人口問題そのものについての基本的な知識を得たいのなら、中公新書の「人口学への招待」が分かりやすくてよい。これも既述の教授に教えてもらったもの。
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