「ほぼ日手帳」が提唱している「毎日が記念日」の俳句版ということでって、それは最初の2ページで分かります。そして、それ以降は、なぜ俳句なのか、ということが全編にわたって述べられているのだけど、著者が銀行に勤める単身赴任のサラリーマンであり、そんな生活の中での俳句との付き合い方が開陳されているので、すこぶる共感度は高い。「付き合い方」というのは、日常生活の中で季節感や自分の心の動きなどを俳句に凝縮していくということだが、(少なくとも)自分には全く馴染みのない様々な俳句を引用しながら、俳句なフィルタリングを解説してくれるのが新鮮だった。
散歩や料理の有用性を説くあたりは外山滋比古の主張と共通点が多く、自分も取り入れていかんとなぁと思った。また、「言葉を凝縮して整える」という行為についての著者の考察は、小林秀雄の「考えるヒント」の本居頼長についての言及と重なるところが多いのが興味深かった。
安直だけど、本書と小林秀雄のおかげで、ちょっと古今和歌集を読んでみたくなった。
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