2015年11月8日日曜日

ナリワイをつくる:人生を盗まれない働き方 伊藤 洋志 (著)

 「ナリワイ」とは、少額の仕事を複数本こなすという考えで、自分の生活と一体化させることを前提として話が組み立てられている。これは、フリーランスとは違う、非バトルタイプ向けのポジショニングを保つために必要な条件だったりする(バトルタイプは次々とライバルとの競争に競り勝って仕事をゲットするというイメージ)。
 自分が生活の中で生じる不便や矛盾。その解決を仕事にしていますのがナリワイで、それは自分の生活に密着しているが故に、まずは自分自身にメリットがあり、同じことを感じている人の間で商売や連携が成り立つ。

 「要は『なんでもいいから自分でサービスを考えて誰かに提供すること』を試行錯誤すればい」(P145)

 最近、続けて読んでいるこの分野の本では、論旨がかなり重複している(amazonの「関連本」によって誘導されているのかも知れないけど)。ザックリとまとめると

時代が変わる / 組織に寄りかかった従来の労働は大きく変動する / 資本主義のパラダイムの見直し

 → おカネ至上主義からのシフト
 → 専門性を持った仲間同士のゆるやかなネットワークによるタスクフォース的な業務フロー

 という感じか。これは、「フリーエージェント社会の到来(←自分にはイマイチ)」だったり「ワーク・シフト(←なかなかいいけどキビシ〜!)」でも共通していた。本書は、それを日本の風土に合わせてアレンジしたのか、それとも非同期で内発的に出てきたのか。まぁ、「これまで通りの働き方で問題ないよ、いけるよ」という本を出しても説得力がないし、売れないので、ある意味、こんな本が目立ってくるのは必然なのかも知れない。

 適当にななめ読みしてつまみ食いという感じで読み始めたが、結構、引きこまれた。

 

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