「モールは、コンパクトシティの理念をもっとも正確に実現している。逆に言えば、コンパクトシティというのは、じつは市街地全体をモールにするという発想なんですよね。 (P39)」
「要するに、ショッピングモールは、「人間にとって最適な環境をどうつくるか」というひとつの実験場だと思うんです。(略)しかも、国や地域の文化に影響を受けない実験場であるという部分が、とくに面白いと思うんですよね。どんな文化でも受け入れてくれる。 (P240)」
ただし、あくまでも対談で「色々な視点で見てみる」という域を超えているわけではない。自分としては「ショッピングモールを地元の商店街に対する悪としてしか見立てないのはおかしい」という問題意識こそが、本書を読んだ一番の収穫。
なお「先行形態」についての言及があり、同時期に読んでいた柄谷行人の「憲法の無意識」でも、結構重要な概念として紹介されていたので、奇妙なシンクロを感じた。今風に言えば「セレンディピティ」ってやつですか。
ちなみに、本書のベースとなっているのは「ゲンロンカフェ」なる場での対談だったらしいが、こういう面白い催し物を札幌でも盛んにしたいなあ。ついでに出版までできたらいいなあ。
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