2012年12月31日月曜日

ウルトラマンマックス 視聴記-10(第16話)


第16話 「わたしはだあれ?」

 予告の時点からコメディタッチのスラップステッィクな予感がたっぷり。宇宙からやってきた隕石のお陰で、皆がモノを忘れていく。最初は落下付近の街の住民から、そして、その影響はDASH、果てはマックスまでもが。


 タイトルから、セブンの「あなたはだぁれ?」を想像したが外れだった。そう言えば前回の「第三惑星の奇跡」も、セブン好きなら誰だってタイトルからは「第四惑星の悪夢」を想像する。これは製作サイドの確信的反抗(笑)なんだろうな。

 隕石の落下調査時に、トタン屋根に開いた穴から下のぞく構図は印象的。仮面ライダーではこういう、ハッとさせられるアングルが多いんだけど平成ウルトラシリーズではどうなんだろう。マックスにはたくさんあるわけだが。

 今回の主役はエリーでしょう。「もう、ずっとそこでまわっててください」というセリフの辺りからどんどん物語を仕切り始める。少し悪ノリし過ぎだと思わんでもないが、こういう回は変におさえず突っ走るということで、自分的には許容範囲。ただし、隊員まではいいとしても、マックスまでがあまりオチャラケた仕草をするのはちょっと...。

 それにしてもエリー、「ええ加減にせんか〜い!」って、何でキレたら関西弁?また、スピーカーで指示をしても全く戦う要領を得ないマックスに、頬を引きつらせるエリーの描写が漫画的でとても面白い。

 何で名前も鳴き声も猫なのか分からない三体の生命体。こいつらも徹底的にギャグ路線。若干の苦笑を交えながらも笑わせてもらっていたら、何と意外なことに、最後のエリーの涙にちょっと感動させられてしまった。やられた!って感じ。例え必殺技の出し方を忘れてしまっても、マックスの「守る!」という決意さえあれば道は拓ける。しかも、実はプールを作って撮影というチャレンジをやった回でもあった。

 ヒジカタ隊長役の宍戸開は、今回のようなコメディタッチの演技の方が向いてるんじゃないか。なお、三池崇史監督は、前回と今回の2話でマックスとの関わりはおしまい。三池監督はミズキとエリーをクローズアップした回を担当したことになるわけだが、こういうのは単純な割り振りで、たまたまだったのか、それとも監督自身の意向(と言うか趣味?)なのか、どっちなんだろう。

2012年12月24日月曜日

ウルトラマンマックス 視聴記-9(第15話)


第15話 「第三番惑星の奇跡」

 今回もミズキ、かわいく頑張ります。冒頭のナレーションもいい感じ。「完全生命体」イフ、最初は巨大なマシュマロのようなカタチで出現。「周囲の温度と全く同じ」というところから既に示唆的だったのかも知れない。イフは、攻撃された内容をそのまま学習して成長していくというエリーの洞察、素晴らし過ぎるなあ。ちなみに今回、ついに「ミズキー!」って、カイトがミズキを呼び捨て!?
 イフを止めることができなくて悔しがるマックスが素晴らしい。マックスの熱血ぶりを端的に示している。
 イフの街の破壊シーンは炎の描写も相まって悪夢的で素晴らしい。逃げ惑う人々の映像がないのはスケジュールのせい?それとも予算のせい?それがないため、今回のお話しがあまりにも箱庭的になってしまっている感は否めない。少女が炎上する街中を徘徊するシーンは戦後、あるいは被災地のイメージなのか。必死で少女を探している時のミズキの演技もいい。

 終盤で夜空に浮かぶ月。思いっきりイラスト的なんだが、この表現こそが、それからの展開が寓話であることを明確に示してくれているのだと思う。
 少女の奏でる音楽に合わせて変形していくイフの姿を見て思わず涙を流しているミズキ。少女のピッコロと自分の銃を交互にミズキが見るシーンは、これまで見てきたマックスの名シーンの中でも白眉。ショパンの曲がシンプルなメロディーからどんどんハーモニーになっていく辺りには目頭が熱くなってしまった。
 宇宙に向かっていくマックスとイフ。上昇していくのをダッシュボードのコックピットからの視点で描いているのも印象的な構図。しかもまた、この時の静かな感じがよい。
 ヒジカタ隊長のセリフは、いつものキャラクターっぷりからいくと、ちょっとキザ過ぎて浮いてるように感じないでもない。少女の演技はあと一歩って感じかな。子供の演出は金子監督の方が得意なのかも知れない。いずれにせよ、マックスの中で必見エピソードの一つ。

2012年12月23日日曜日

大映特撮映画大全 角川映画 (監修)


・大魔神とガメラ、そして、それ以外の作品も含めた大映映画の歴史を概観できる一冊。

・ガメラについて、特に詳しく設定などを解説しているわけではない。製作に至る背景の解説などの方に力点が置かれており、ゴジラに対するアンチテーゼとしてのガメラ、という設定なども分かる。

仮面ライダー 1971-1973 石ノ森 章太郎 (著), 和智 正喜 (著)


・ある程度世界観は踏襲しつつ、登場人物も同じだが、新たなライダー世界を描いた小説。ハッキリ言って傑作!

・「誕生」「希望」「流星」の3編から成っているが、最初の「誕生」が最高。熱いし、カッコいいし、泣ける!そのインパクトが強過ぎて、残り2編は若干のボルテージダウン気味に感じた。「流星」では少しV3以降のライダーを視野に入れた描写があるが、基本はあくまでも本郷猛のストーリー。

・この一連の作品の大きな魅力は、ショッカーがある程度の奥行きをもって描かれている点。それ故、死神博士、地獄大使、そして何よりもゾル大佐が、素晴らしい魅力を放っている。ゾル大佐は何とナチスの(以下、自粛)。ショッカーにとっての「命」、本郷が守る「命」、ショッカーでありながら本郷を愛してしまった女が大切に思う「命」。本作は生命観を巡ってのストーリでもある。

・造形がとてつもなくカッコいいけどストーリーが少々残念だった仮面ライダー THE FIRSTは、本作をベースにしたらよかったのに。

Chronologie ジャン・ミシェル・ジャール

・このアルバム、アーティストを知ったきっかけはインターネットラジオだった。

・結構、好きなタイプの長めダラダラシンセ。

・「ダラダラ」というのはちょっと言い方がよろしくないかも知れないが、いわゆるループではなくて、似たようなリズムやベースラインがずっと続いてる上で進行していて、そんなに劇的な展開をせず、BGM的にかけていると気持ちいい、というニュアンス。

ウルトラ・ダラー 手嶋 龍一 (著)

・きっかけは「ラジオ版学問ノススメ」。スティーブンは確かに魅了的だけど、カッスラーのダーク・ピットの方が好きかな。

・カッスラーの奇想天外なのもいいが、こちらの話の方が、我が国のインテリジェンスに関わりがある分、より切実で面白い。地政学的な観点も提供されており、手嶋さんが「学問ノススメ」で言ってた通り、「楽しんで読んでいるうちにインテリジェンスの素養が磨かれていく」という感じ。

・血沸き肉踊るアクションシーンは少ないが、その分、スマートな情報入手術や分析の現場というのが描かれているのがこの本の面白いところ。

・北朝鮮による我が国内外の技術者の拉致。それが精細な偽札作りのためであり、偽札を使って東欧から弾道ミサイルを購入して東アジアの勢力バランスを変えるため、というのが話の筋。

・恐いのは、北朝鮮が外務省の上層部に食い込む巧妙な手口。こういうのって、手嶋さんが書いてるんだから、結構実際にあるんだろうな。インテリジェンスの舞台では、こういうことが山ほどあって、そこはもう、きれいごととか卑怯とかってレベルを超越した世界なんだろうな。日本、大丈夫か?もし自分が関係者だったら、ハニートラップで一発でひっかかるだろうな(笑)。

・相棒のマイケル・コリンズ。アメリカ南部出身だが、名前からすると典型的なケルトだよな。

・次作は「スギハラ・ダラー」でいいのかな。続けて読んでみようと思った。

KAGEROU 齋藤 智裕(著)

・話題作だからと言うより、「天道」の小説、ということで興味を持った。

・あれあれ、意外と(と言っては失礼だが)よかった。ラストで泣かせるシーンが2回かぶってくるのはズルいなあ。気がつけば作中人物に意外な愛着を感じてしまっている自分がいた。