2012年12月23日日曜日

ウルトラ・ダラー 手嶋 龍一 (著)

・きっかけは「ラジオ版学問ノススメ」。スティーブンは確かに魅了的だけど、カッスラーのダーク・ピットの方が好きかな。

・カッスラーの奇想天外なのもいいが、こちらの話の方が、我が国のインテリジェンスに関わりがある分、より切実で面白い。地政学的な観点も提供されており、手嶋さんが「学問ノススメ」で言ってた通り、「楽しんで読んでいるうちにインテリジェンスの素養が磨かれていく」という感じ。

・血沸き肉踊るアクションシーンは少ないが、その分、スマートな情報入手術や分析の現場というのが描かれているのがこの本の面白いところ。

・北朝鮮による我が国内外の技術者の拉致。それが精細な偽札作りのためであり、偽札を使って東欧から弾道ミサイルを購入して東アジアの勢力バランスを変えるため、というのが話の筋。

・恐いのは、北朝鮮が外務省の上層部に食い込む巧妙な手口。こういうのって、手嶋さんが書いてるんだから、結構実際にあるんだろうな。インテリジェンスの舞台では、こういうことが山ほどあって、そこはもう、きれいごととか卑怯とかってレベルを超越した世界なんだろうな。日本、大丈夫か?もし自分が関係者だったら、ハニートラップで一発でひっかかるだろうな(笑)。

・相棒のマイケル・コリンズ。アメリカ南部出身だが、名前からすると典型的なケルトだよな。

・次作は「スギハラ・ダラー」でいいのかな。続けて読んでみようと思った。

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