2016年1月11日月曜日

小説 仮面ライダーフォーゼ ~天・高・卒・業~ 塚田 英明 (著)

 今ではすっかり人気俳優になった福士蒼汰のデビュー作がこのフォーゼ。ライダーが宇宙船フォルム?高校生活が舞台?ツッパリ君が主人公?数多くの(自分にとっての)不安材料を抱えてスタートしたフォーゼの第1話を見た時に、その世界観の作りこみに感動して目頭を熱くしたものだった。

 本作は、そんな弦太郎達の卒業式を巡る一大騒動。なでしこ(のモデル)も出てくるし、ヴァルゴによってダークネビュラにトバされたゾディアーツ達もきちんと回収されて、まさに大団円にふさわしいと言える構成。フォーゼファンなら読んで損ナシ!

 しかも、今までの小説仮面ライダーの中では描写力、構成力、いずれもがベストな出来。弦太郎が教師の道を目指すきっかけが明かされるだけでも価値があるのに、そこに、挫折まみれにして本編では回収されなかったゾディアーツ、園ちゃん先生が絡んでくるというプロット。ちゃんと適役、脇役にもスポットライトをあてて、皆にきちんと目配せをしている。そういう視線こそが、実はフォーゼらしさの極みなわけで、なかなかに泣ける、秀逸な出来だった。

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