2013年2月3日日曜日

札幌の名店60選 行きつけにしたい西洋麺屋 (MG BOOKS)

・図書館で見つけた。AGRIOが載ってない辺り、料金取って掲載してる?と思わないでもない(ちなみに、自分のAGRIOに対する評価はあまり高くないので、載ってないから文句を言ってるわけではない)。

・発売が2008年ということもあり、既にない店や、リッチみたいに街中に進出してきた店もある。あまり参考にはならないかな。それでも数店、興味を持ったところをメモはしておいたが。

・札幌のエムジー・コーポレーションという会社が出版してるということだが、最近は元気がないような...。

BACKPACK CATALOG (ホビージャパンMOOK 399)

・図書館で目に入って借りてみた。iPadを収納できる、使い勝手のよいワンショルダーバッグがあればと思ったが、かねてより知っていたMAGFORCE以外では、特に見るべきものがなかった。

別冊PEAKS みんなの山道具

・図書館でたまたま目に入った。シカクマ対策のヘルプで出動する時用に、どんなブランドのものがどんな機能でどんな価格帯であるのか、概要だけ把握するために購入。やっぱりフリースよりメリノウールか。

知的トレーニングの技術 花村 太郎 (著)

・高校〜大学の頃に持っていた。この本に書かれているトレーニングを実践したということではなかったのだと思うが、なぜか急に思い出して読みたくなった。もう絶版で、amazonの中古では¥4,000ほどの高値がついてる。

・読み返してみると、昨今のライフハックの先駆け的な内容も散見される。志の立て方から資料の集め方、書物の読み方、文章の書き方と幅広い。読書術の紹介としてのレーニンノートの存在はこの本で知った。他にも言葉の習得について南方熊楠の文章を引用してみたり、芥川龍之介のテキストをまるまる書写した自身の体験についての記述があったりで、その時々でちょっとした発見がある。ちょっと手元に置いておきたいが、高いなあ...。

【目次】
第1部 準備編
・志を立てる 立志術
・人生を設計する 青春病克服術
・ヤル気を養う ヤル気術
・愉快にやる 気分管理術
・問いかける 発問・発想トレーニング法
・自分を知る 基礎知力測定法
・友を選ぶ師を選ぶ 知的交流術
・知的空間をもつ 書斎術
・文房具をそろえる 道具術、保管術
・本を並べる 配架法
・事典をそろえる 知的工具術

第2部 実践編
・論文を書く 知的生産過程のモデル
・あつめる 蒐集術
・分類する、名づける 知的パッケージ術
・分ける、関係づける 分析術
・読む 読書術
・書く 執筆術
・考える 思考の空間術
・推理する 知的生産のための思考術
・疑う 科学批判の思考術
・もうひとつの科学的思考 エコロジー思考術
・直感する 思考術
・さまざな巨匠たちの思考術、思想術 発想法カタログ

ハーモニー 伊藤 計劃 (著)


・「虐殺器官」の後日譚。平和になった世界。そこはハーモニーが取れたように見える世界。「自分を律することの大半は、いまや外注に出されているのだ」。そんな世界に馴染めない女子高生の視点から語られる世界の異常性。物語はそこから始まる。日本SF大賞だけでなく、アメリカでP.K.ディック賞まで取った作品。

・一見ユートピアに見えるディストピアということで、ウォルター・テヴィスの「モッキンバード」というSF作品を思い出させる箇所も散見される。だが、「モッキンバード」のような暖かく血の通った人間復権が描かれることはない。「虐殺器官」が救いのない物語だったのに対して、本作は、救いを求めてたどり着いたところが、とんでもなく救いのない世界(と言うか「救い」という概念を必要としない世界)だったという物語。何とも言えぬ後味の悪い読後感。これ、中学ぐらいで読んでたらトラウマになってたかも知れない。

・秘密を知り、トリガーを引き得る存在となった主人公が、そのトリガーを引く必然性がイマイチ伝わってこない。実はそのことが、「虐殺器官」と「ハーモニー」で自分が最も戦慄した部分かも知れない。

・本書は、初めて電子書籍で読んでみた(iPad版のKindle)。ページを繰る感覚や、以前のページに戻ってちょっと確認する、というのがやりづらい。あまり気にせずにマーカーをつけたり、挿入したコメントを後から一覧的に見ることができるのは便利。


2013/02/21(木)追記
・「救い」を求めて行き着いたのが「救い」が意味を持たない場所。これはもしかしたら、作者が自らの死と対峙せざるを得ない状況の中で、その苦しみや恐怖をじっと見つめたからこそ出てきた想念だったのかも知れないということに気付いた。ちなみに、本作は作者が34歳という若さで亡くなった2009年の翌年、発表された。





※モッキンバードは大好きなSF作品の一つ。残念ながらもう絶版だけど。


2013年2月2日土曜日

オタクの息子に悩んでます 朝日新聞「悩みのるつぼ」より 岡田 斗司夫 FREEex (著)

・「いつまでもデブと思うなよ」が大ヒットした岡田斗司夫の本。朝日新聞で悩み相談を受け持つ彼が、回答を出すまでの思考の道すじを解説している。タイトルを見た時は「世の中にはこんな不可思議な相談がある」という、例えば「プロ野球珍プレイ好プレイ集」というような、笑いをメインとした内容かと思っていた。実際は全くそんなことはなくて、岡田さんが真摯にプロとして相談者に向かい合った軌跡を著したものだった。

・「悩み」というのは無限ループのように、同じところでぐるぐる回って(回して)いることが多い。そこで彼が提示するのが

 悩みの書き出し(ジャグリング禁止)→分析(仕分け)→理由の解明→解決手段→追い込み(環境の強制)

 というフロー。なお、「追い込み」というのは「株式会社・自分」という考え方からきている。自分の中にはたくさんの人格と言うか社員がいて、その上位にいる「社長」格の統合的自分にできるのは、それを行動に移さざるを得ない環境に自らを「追い込む」ということ。

・岡田さんが相談者への回答を出すために使ったフレームワークは次の通り。
 1.分析
 2,仕分け
 3.潜行(深く、なぜ?なぜ?と潜っていって、底にタッチ)
 4.アナロジー(喩えてみる)
 5.メーター(今、100◯◯だから40◯◯まで減らそう)
 6.ピラミッド(自分の相対位置、ピラミッドのどこに位置しているのか)
 7.四分類(とりあえず4つに分類する)
 8.三価値(二極対立プラス1、とりあえず「今日」の解決のために)
 9.思考フレームの拡大(twitterしている社員説教するべき部下なのではなく、同じネットの一員、という例)
 10.共感と立場(上から目線じゃなく、相手と同じ温度の湯に入る)
 11.フォーカス(可能な行動に絞って結論)

・やはり最初は「書き出し」から始まるんだな。「その科学が成功を決める」という本でも、まずは書きだしてみることの有効性が書かれていた。書きだして分析して仕分けして、というのはGTDにも通じるアプローチ。

・実際の回答時に、これをどう適用したかというのも解説されており、分かりやすい。だからと言って、著者がサラッとやっている(ように見える)フレームワークの適用を、自分でも簡単にできるかと言えば、決してそうではないんだけど。加えて、例えば「どうしても共感できない時は、もらった相談内容をそのまま書いてトレースしてみる」など、独自の工夫が凝らされていることも見逃せない。いかに自分を使うか。「株式会社自分」の社長は、やっぱり会社の動かし方を知ってなきゃ。

・あれあれ?中2の女の子相談のメイキング読んでてちょっと涙ぐんでしまった。ちょうどかけてたBGMがColdplayのParadiseだったからかも知れないけど、岡田さんの意外な(?)誠実さ、心意気に打たれたからか。

・「まず、原稿をちゃんと完成させる。それからしばらく置く。できれば3日ほど置く」というのは、今、こうやって読書記録を書いてる自分も同感。読了後に一気呵成に感想を書いても、その後、発酵と言うか熟成が進み、新たに気づいたり、違う観点が生じてきたり、ということが結構ある。これは外山滋比古さんの「思考の整理学」でも書かれていたことと通じるものがあると思うんだけど、そちらを読んだ頃にはあまりピンと来なかった。最近になって実感できるようになってきた。

・意外と気になった言葉、「プロとは『納得できなくても締め切りを、約束を守ること』だ。」(P276)

松丸本舗主義 奇蹟の本屋、3年間の挑戦。 松岡正剛 (著)


・昨年後半から松岡正剛という人に興味を持ち始めた。知ってる人からすれば今更感が強いだろうが、大変な読書家で、知の巨人的な扱いをされることも多い。本人は自分のことを編集者だと言っている。自分が学生の頃、ニューサイエンスの本を多く出版していた工作舎を立ち上げた人でもある(ラブロックの「ガイア理論」の翻訳本も工作舎)。

・そんな松岡さんが企画・運営した本屋、松丸本舗。昨年(2012年)9月に閉店したらしいが、3年の間、丸善と組んで、丸の内店のショップ・イン・ショップという形で運営してたらしい。これからの(あるいは本来の)本屋とはどうあるべきかを考えた上で構築されたその空間が、どのような立ち振る舞いであったのか、残念ながら体験はできなかったが、この本で少し垣間見ることができた。しかも舞台裏の解説付きで。

・平たく言えば、タイトルにもある「奇跡の本屋」の3年間のヒト、コト、モノについてまとめた本。結構なボリュームなんだが、意外とスルスル読めてしまうのは、全体の2/3が資料的というのもあるのだろうが、松岡さんの「編集」の妙なのかな。

・ただ、閉店に至った事情がいまひとつ分からなかった。閉店は松岡さん達の意志に反してのことらしいので丸善側の理由が知りたい。単純に赤字だったからなんだろうが、それは松丸本舗の箱、つまり店舗什器等にかけた初期投資なのか、各種企画にかかった原価なのか、それとも松岡サイドへの支払いを含む人件費の部分だったのか。

・松岡さんは「捲土重来を期すつもりだ」とtwitterでつぶやいた。「奇跡の本屋」は、果たして「あれは奇跡のようなものだった」で終わるのか、それとも、その奇跡の種子がタンポポのように各地に散らばっていき、芽吹くのか。

・余談だが刊行前に予定されていたサブタイトルは「65坪、10万種・各1冊、1074日間 人と本をつないだ奇跡の本屋の挑戦」だった。