・「悩み」というのは無限ループのように、同じところでぐるぐる回って(回して)いることが多い。そこで彼が提示するのが
悩みの書き出し(ジャグリング禁止)→分析(仕分け)→理由の解明→解決手段→追い込み(環境の強制)
というフロー。なお、「追い込み」というのは「株式会社・自分」という考え方からきている。自分の中にはたくさんの人格と言うか社員がいて、その上位にいる「社長」格の統合的自分にできるのは、それを行動に移さざるを得ない環境に自らを「追い込む」ということ。
・岡田さんが相談者への回答を出すために使ったフレームワークは次の通り。
1.分析
2,仕分け
3.潜行(深く、なぜ?なぜ?と潜っていって、底にタッチ)
4.アナロジー(喩えてみる)
5.メーター(今、100◯◯だから40◯◯まで減らそう)
6.ピラミッド(自分の相対位置、ピラミッドのどこに位置しているのか)
7.四分類(とりあえず4つに分類する)
8.三価値(二極対立プラス1、とりあえず「今日」の解決のために)
9.思考フレームの拡大(twitterしている社員説教するべき部下なのではなく、同じネットの一員、という例)
10.共感と立場(上から目線じゃなく、相手と同じ温度の湯に入る)
11.フォーカス(可能な行動に絞って結論)
・やはり最初は「書き出し」から始まるんだな。「その科学が成功を決める」という本でも、まずは書きだしてみることの有効性が書かれていた。書きだして分析して仕分けして、というのはGTDにも通じるアプローチ。
・実際の回答時に、これをどう適用したかというのも解説されており、分かりやすい。だからと言って、著者がサラッとやっている(ように見える)フレームワークの適用を、自分でも簡単にできるかと言えば、決してそうではないんだけど。加えて、例えば「どうしても共感できない時は、もらった相談内容をそのまま書いてトレースしてみる」など、独自の工夫が凝らされていることも見逃せない。いかに自分を使うか。「株式会社自分」の社長は、やっぱり会社の動かし方を知ってなきゃ。
・あれあれ?中2の女の子相談のメイキング読んでてちょっと涙ぐんでしまった。ちょうどかけてたBGMがColdplayのParadiseだったからかも知れないけど、岡田さんの意外な(?)誠実さ、心意気に打たれたからか。
・「まず、原稿をちゃんと完成させる。それからしばらく置く。できれば3日ほど置く」というのは、今、こうやって読書記録を書いてる自分も同感。読了後に一気呵成に感想を書いても、その後、発酵と言うか熟成が進み、新たに気づいたり、違う観点が生じてきたり、ということが結構ある。これは外山滋比古さんの「思考の整理学」でも書かれていたことと通じるものがあると思うんだけど、そちらを読んだ頃にはあまりピンと来なかった。最近になって実感できるようになってきた。
・意外と気になった言葉、「プロとは『納得できなくても締め切りを、約束を守ること』だ。」(P276)
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