山下氏の前著、「地方消滅の罠」は増田レポートをターゲットに、批判と言うより批難しつつも、安倍政権は評価するという内容で、全体的な印象は芳しくなかった。市立大のお師匠さまに言わせると、ベストセラーの寄生虫的な本で、著者本人に学会で会った時に具体的な数値の根拠を尋ね、それについての問題点について話をしてみたら口ごもって、明確な答えは聞けなかったとのこと。
そんな著者が、このタイトルで出してきたので、またかという感じで目を通してみたら、意外と面白く読み進めた。対談者の金井氏によるところが大きいのかどうかは分からないが、現在、政府が推進している「地方創生」の魂胆を性悪説に立って批判的に捉えつつ、そのような力学が国と自治体によって構造化してしまっていることについて言及しているのが面白い。金井氏が一種マキャベリズム的な護憲の発想で政府や自治体を性悪説で捉えているのに対して、山下氏が現場のスタッフに同情的であるというのも面白かった。
とは言え、この面白さは、ちょっとインテリなオッサンが居酒屋で談義しているレベルを出ていない。
「(金井)従属を甘受して直視できる覚悟は「敗戦」を「終戦」と呼びかえるこの国の人々にはありません(P157)」
「(金井)国とは権力を行使したい人間の集まり(P183)」
「(金井)誰も主体的には意思決定していないわけです。これは丸山眞男が言う無責任体制です。(略)(その)体制自体が一つの統治構造です(P213)」
「(金井)地獄への道は善意で敷き詰められている(P236)」
などなど。面白そうではあるでしょ?こういう話を居酒屋談義ということで面白く聞いている分にはよいが、それ以上のものではないというのが読後感。
2015年11月28日土曜日
2015年11月8日日曜日
ナリワイをつくる:人生を盗まれない働き方 伊藤 洋志 (著)
「ナリワイ」とは、少額の仕事を複数本こなすという考えで、自分の生活と一体化させることを前提として話が組み立てられている。これは、フリーランスとは違う、非バトルタイプ向けのポジショニングを保つために必要な条件だったりする(バトルタイプは次々とライバルとの競争に競り勝って仕事をゲットするというイメージ)。
自分が生活の中で生じる不便や矛盾。その解決を仕事にしていますのがナリワイで、それは自分の生活に密着しているが故に、まずは自分自身にメリットがあり、同じことを感じている人の間で商売や連携が成り立つ。
「要は『なんでもいいから自分でサービスを考えて誰かに提供すること』を試行錯誤すればい」(P145)
最近、続けて読んでいるこの分野の本では、論旨がかなり重複している(amazonの「関連本」によって誘導されているのかも知れないけど)。ザックリとまとめると
時代が変わる / 組織に寄りかかった従来の労働は大きく変動する / 資本主義のパラダイムの見直し
→ おカネ至上主義からのシフト
→ 専門性を持った仲間同士のゆるやかなネットワークによるタスクフォース的な業務フロー
という感じか。これは、「フリーエージェント社会の到来(←自分にはイマイチ)」だったり「ワーク・シフト(←なかなかいいけどキビシ〜!)」でも共通していた。本書は、それを日本の風土に合わせてアレンジしたのか、それとも非同期で内発的に出てきたのか。まぁ、「これまで通りの働き方で問題ないよ、いけるよ」という本を出しても説得力がないし、売れないので、ある意味、こんな本が目立ってくるのは必然なのかも知れない。
適当にななめ読みしてつまみ食いという感じで読み始めたが、結構、引きこまれた。
自分が生活の中で生じる不便や矛盾。その解決を仕事にしていますのがナリワイで、それは自分の生活に密着しているが故に、まずは自分自身にメリットがあり、同じことを感じている人の間で商売や連携が成り立つ。
「要は『なんでもいいから自分でサービスを考えて誰かに提供すること』を試行錯誤すればい」(P145)
最近、続けて読んでいるこの分野の本では、論旨がかなり重複している(amazonの「関連本」によって誘導されているのかも知れないけど)。ザックリとまとめると
時代が変わる / 組織に寄りかかった従来の労働は大きく変動する / 資本主義のパラダイムの見直し
→ おカネ至上主義からのシフト
→ 専門性を持った仲間同士のゆるやかなネットワークによるタスクフォース的な業務フロー
という感じか。これは、「フリーエージェント社会の到来(←自分にはイマイチ)」だったり「ワーク・シフト(←なかなかいいけどキビシ〜!)」でも共通していた。本書は、それを日本の風土に合わせてアレンジしたのか、それとも非同期で内発的に出てきたのか。まぁ、「これまで通りの働き方で問題ないよ、いけるよ」という本を出しても説得力がないし、売れないので、ある意味、こんな本が目立ってくるのは必然なのかも知れない。
適当にななめ読みしてつまみ食いという感じで読み始めたが、結構、引きこまれた。
2015年11月1日日曜日
地方消滅 創生戦略篇 (中公新書) 増田 寛也, 冨山 和彦
著者の一人である増田氏による前著「地方消滅」が総論的なものであったのに対して、本書はかなり具体的に踏み込んだものになっている。
本書は知事経験者である増田氏と、東北で経営者として活躍している(らしい)冨山氏との対談形式になっている。このためか、地方自治における実例や弊害についての言及が具体的で分かりやすい。例えば「必要なのは共働きで500万稼げる仕事(冨山 P37)」や、「首長が変わると議会がガラリと変わる(増田 P89)」などという発言はかなり具体的。また、悪しき平等主義のため、余裕があると「選択と集中」を実行することができない、というのもリアルなご意見。「北海道の農業は(略)可能性が開けている(増田 P49)」というのは道民としては嬉しい発言だが、あくまでも「可能性」だからね。
中でも、例えばコンパクトシティという考え方について、日本では移住を強制できるわけではないとし、そのような強制移住ではなく、高度経済成長時代に拡散し過ぎた人口分布を適正値に戻すことによって、人口減少を前提として組み込んだ自治体の在り方を住民と共に作り上げていくというのは大事な提言であり、今後の日本の行く末をわがこととして考える時に、かなりの説得力を持つと感じた。ちなみに、コンパクトシティ政策が進んだ場合、近年顕在化している野生動物の侵食は拡大すると考えるべきだろう。
自分にとって最も印象深かったのは増田氏の次の発言。「地方創生の戦略を考える上で、私が一番増やしたいと思っているのは、地域の大学が核になって、地域が本当に求めているニーズを汲み取り、解決する仕組みをつくることですね。(P156)」ただ、これを可能にしようと思ったら今の文科省の制御は変えていかないと実現は困難。
実はこの本については、最近、大変お活躍(誤植じゃないよ)の増田氏が、対談形式という執筆の労を取らなくてよい形式で好きなことを放談してるんだろうということで軽視してたのだけど、対談ゆえに読みやすく、それでいて随所に二人の知見がキラリと輝いているといった印象で、自分としては読む甲斐のあった本でした。
本書は知事経験者である増田氏と、東北で経営者として活躍している(らしい)冨山氏との対談形式になっている。このためか、地方自治における実例や弊害についての言及が具体的で分かりやすい。例えば「必要なのは共働きで500万稼げる仕事(冨山 P37)」や、「首長が変わると議会がガラリと変わる(増田 P89)」などという発言はかなり具体的。また、悪しき平等主義のため、余裕があると「選択と集中」を実行することができない、というのもリアルなご意見。「北海道の農業は(略)可能性が開けている(増田 P49)」というのは道民としては嬉しい発言だが、あくまでも「可能性」だからね。
中でも、例えばコンパクトシティという考え方について、日本では移住を強制できるわけではないとし、そのような強制移住ではなく、高度経済成長時代に拡散し過ぎた人口分布を適正値に戻すことによって、人口減少を前提として組み込んだ自治体の在り方を住民と共に作り上げていくというのは大事な提言であり、今後の日本の行く末をわがこととして考える時に、かなりの説得力を持つと感じた。ちなみに、コンパクトシティ政策が進んだ場合、近年顕在化している野生動物の侵食は拡大すると考えるべきだろう。
自分にとって最も印象深かったのは増田氏の次の発言。「地方創生の戦略を考える上で、私が一番増やしたいと思っているのは、地域の大学が核になって、地域が本当に求めているニーズを汲み取り、解決する仕組みをつくることですね。(P156)」ただ、これを可能にしようと思ったら今の文科省の制御は変えていかないと実現は困難。
実はこの本については、最近、大変お活躍(誤植じゃないよ)の増田氏が、対談形式という執筆の労を取らなくてよい形式で好きなことを放談してるんだろうということで軽視してたのだけど、対談ゆえに読みやすく、それでいて随所に二人の知見がキラリと輝いているといった印象で、自分としては読む甲斐のあった本でした。
2015年10月28日水曜日
地方創生ビジネスの教科書 増田 寛也 (著)
日本の自治体における活性化の事例を、解説を交えながら紹介するという形式。各事例毎に、お上手にまとめた見開き2ページのチャート図が付いている。N総研に作らせたのか?(笑)
興味深かったのが第6章の和歌山県北山村と第8章のニセコの事例。
和歌山県北山村では、ブレイクスルーが役場内にいたITに詳しい職員の作ったホームページから始まったという。やはり、いくら民間にお金を流すためと言っても、何でも業務委託で外部に任せるより、内部で手を動かせるエンジニアがいた方がよいと思った。
ニセコ町では、町が「まちづくり町民講座」を実施した。これによって町民の当事者意識が上がり、ニセコとしてのまちづくり条例の制定につながったという。ちなみにニセコ町は観光協会を株式会社化したという点でも有名。
「地方でこそITを活用する余地が大きい」というのはお説ごもっとも。しかも、特に北海道の中小自治体にとっては有益でしょう。
ただ、地方創生ビジネスの興し方や進め方についての理論的な解説がなかったのが期待外れだった。帯では「極意を公開」なんて著者のにこやかなご近影と共に掲げてるのだから。もっと自身の知見などを開陳して益田節を出しててもよかったのではないかというのがマイナスポイント。あんまり執筆に時間かけてねーなと感じてよく見てみると「監修・解説」となってました(笑)。なお、同じ著者による中公文庫の「地方消滅 創生戦略篇」は、この辺りについてもう少し詳しく語られていて参考になる。
興味深かったのが第6章の和歌山県北山村と第8章のニセコの事例。
和歌山県北山村では、ブレイクスルーが役場内にいたITに詳しい職員の作ったホームページから始まったという。やはり、いくら民間にお金を流すためと言っても、何でも業務委託で外部に任せるより、内部で手を動かせるエンジニアがいた方がよいと思った。
ニセコ町では、町が「まちづくり町民講座」を実施した。これによって町民の当事者意識が上がり、ニセコとしてのまちづくり条例の制定につながったという。ちなみにニセコ町は観光協会を株式会社化したという点でも有名。
「地方でこそITを活用する余地が大きい」というのはお説ごもっとも。しかも、特に北海道の中小自治体にとっては有益でしょう。
ただ、地方創生ビジネスの興し方や進め方についての理論的な解説がなかったのが期待外れだった。帯では「極意を公開」なんて著者のにこやかなご近影と共に掲げてるのだから。もっと自身の知見などを開陳して益田節を出しててもよかったのではないかというのがマイナスポイント。あんまり執筆に時間かけてねーなと感じてよく見てみると「監修・解説」となってました(笑)。なお、同じ著者による中公文庫の「地方消滅 創生戦略篇」は、この辺りについてもう少し詳しく語られていて参考になる。
2015年10月18日日曜日
チョムスキーが語る戦争のからくり: ヒロシマからドローン兵器の時代まで ノーム チョムスキー (著), アンドレ ヴルチェク (著), 本橋 哲也 (翻訳)
・今年の1月に元駐シリア日本大使による「報道されない中東の真実」を読んだ時、メディアの報道偏向が仕組まれているのを垣間見たような気がしてちょっと怖かったのだけど、この本で語られている内容はもっと怖かった。我々、西側陣営の人間は偏向したプロパガンダに慣らされており、その手法は大変洗練されたものになっている。一方、西側に所属しない陣営(ソ連、中国やイスラムやキューバ、ベネズエラなど)では複数のプロパガンダが共存している。しかし、そんなことすら我々は知らない。
「(ヴルチェク)自由でオープンで民主的であると自称する西側諸国は、かつてのソヴィエト連邦や現在の中国で作られるプロパガンダにアクセスもできなければ、それに影響されることもなかった。プロパガンダだけではなくて、ほとんどの西ヨーロッパやアメリカ合衆国の市民はソヴィエトや中国の人たちの世界観からの影響を受けていない。ほとんど何も知らないから彼らの世界観は一極的です。(略)一方、旧ソ連や中国の人は、昔も今も資本主義や西側の共産主義解釈に精通している。ということは、どちらがオープンで知識に恵まれているのか、ということですね。中国の本屋を覗くと、資本主義の文献もたくさんある。アメリカ合衆国やヨーロッパの本屋には共産主義中国の文献などまずない。(P71)」
手軽な例では、ロシアの日本語ニュースであるSputnik日本語版(http://jp.sputniknews.com/)にアクセスしてみるのがよいと思う。プロパガンダだなとは感じつつも、日ごろ接しているのとは随分と違う視点があるのだということは実感できるだろう。
・本書の中で一番怖かったのは麻薬の話。「(チョムスキー)アメリカとしてはシチリアのマフィアと南仏のコルシカ・マフィアを(スト潰しのために)再興した。もちろんマフィアもただでは労働組合を潰さないから代価が必要だった。それがヘロイン産業のマフィア支配だった。これがかの有名なフレンチ・コネクションで、南仏からはじまって世界中に広まったのです。だからどこでも騒乱や転覆があると麻薬の売買がそれにつきまとうことには理由がある。よって、もしCIAがで政府を転覆して労働組合を潰すとかいうときには、まず必要なのは人、それから裏金、足のつかない資金ですね。それら揃えば世界中どこでもうまくいく。(P180)」
余談だけど、初代ロボコップで悪役のクラレンス(マフィアのボス)がジョーンズ(オムニ社の幹部)に「人々が集まる。それを仕切りたくないか。麻薬への需要がすごいことになるぞ」と誘われるシーンを思い出した(うろ覚えだけど)。
・本書で言及されていることがらの幾つかは佐藤優本でも触れられていたので最後に少しリストアップしておく。
本書「(ヴルチェク)いまや搾取をあからさまにおこなっているのはフランスですね。アフリカじゅうでフランスが果たしている役割は信じられないくらいで、ジブチからソマリア、西サハラからリビアまでその行状は凄まじい。 (P167)」
↓
超したたか勉強術(佐藤優)「フランスは西アフリカで石油やウラニウムなどの地下資源を巡って乱暴なオペレーションを展開している。(93.5% *電子書籍なのでページ数表示できない)」
本書「(ヴルチェク)(ヨーロッパにおける)極右の台頭も当然だと思う。第二次世界大戦後にヨーロッパが世界の何千万という人を犠牲にして作り上げた、自己中心的な社会福祉システムの化けの皮がはがれてきたのです。 (P90)」
↓
超したたか勉強術(佐藤優)「ネタニヤフ首相は、ここに来てヨーロッパにおける反ユダヤ主義という地金が出てきたことを察知したのではないか(94.1%)」
手軽な例では、ロシアの日本語ニュースであるSputnik日本語版(http://jp.sputniknews.com/)にアクセスしてみるのがよいと思う。プロパガンダだなとは感じつつも、日ごろ接しているのとは随分と違う視点があるのだということは実感できるだろう。
・本書の中で一番怖かったのは麻薬の話。「(チョムスキー)アメリカとしてはシチリアのマフィアと南仏のコルシカ・マフィアを(スト潰しのために)再興した。もちろんマフィアもただでは労働組合を潰さないから代価が必要だった。それがヘロイン産業のマフィア支配だった。これがかの有名なフレンチ・コネクションで、南仏からはじまって世界中に広まったのです。だからどこでも騒乱や転覆があると麻薬の売買がそれにつきまとうことには理由がある。よって、もしCIAがで政府を転覆して労働組合を潰すとかいうときには、まず必要なのは人、それから裏金、足のつかない資金ですね。それら揃えば世界中どこでもうまくいく。(P180)」
余談だけど、初代ロボコップで悪役のクラレンス(マフィアのボス)がジョーンズ(オムニ社の幹部)に「人々が集まる。それを仕切りたくないか。麻薬への需要がすごいことになるぞ」と誘われるシーンを思い出した(うろ覚えだけど)。
・本書で言及されていることがらの幾つかは佐藤優本でも触れられていたので最後に少しリストアップしておく。
本書「(ヴルチェク)いまや搾取をあからさまにおこなっているのはフランスですね。アフリカじゅうでフランスが果たしている役割は信じられないくらいで、ジブチからソマリア、西サハラからリビアまでその行状は凄まじい。 (P167)」
↓
超したたか勉強術(佐藤優)「フランスは西アフリカで石油やウラニウムなどの地下資源を巡って乱暴なオペレーションを展開している。(93.5% *電子書籍なのでページ数表示できない)」
本書「(ヴルチェク)(ヨーロッパにおける)極右の台頭も当然だと思う。第二次世界大戦後にヨーロッパが世界の何千万という人を犠牲にして作り上げた、自己中心的な社会福祉システムの化けの皮がはがれてきたのです。 (P90)」
↓
超したたか勉強術(佐藤優)「ネタニヤフ首相は、ここに来てヨーロッパにおける反ユダヤ主義という地金が出てきたことを察知したのではないか(94.1%)」
2015年10月12日月曜日
知的トレーニングの技術〔完全独習版〕 (ちくま学芸文庫) 花村 太郎 (著)
「知的」を冠したハウツー本が数多く出回っている昨今、自分にとっては源流であり、真打ちと言える1冊。オリジナルは別冊宝島で1980年に出版されていた本書が、昨今のブームのおかげか、文庫本としてこの度復活。学生時代に引越しのドサクサで紛失していたので、復活を知って即買いでした。
「本を読む」ということに限って言えば、佐藤優の「読書の技法」が具体的で役立つのだが、本書では、そんな技術が、読書に限らず、情報の収集から整理、私淑の心構えに至るまで、実践可能な具体的な手法として提示されている。さらには、それらの技術がゲーテや森鴎外、ポール・ヴァレリーなどによっても使われていた例を、彼らの日記などから拾い上げて紹介してくれる。刺激も受けるし、具体的なノウハウも見つけられるし、発想を柔軟にしてくれるヒントも散りばめられている。自分の中では、この分野のベスト3の1冊です。
知的トレーニングの技術 花村太郎
思考の整理学 外山滋比古
知的複眼思考法 苅谷剛彦
【目次】
イントロダクション 知的スタート術
--準備編 知的生産・知的創造に必要な基礎テクニック8章
志をたてる 立志術
人生を設計する 青春病克服術
ヤル気を養う ヤル気術
愉快にやる 気分管理術
問いかける 発問・発想トレーニング法
自分を知る [基礎知力]測定法
友を選ぶ・師を選ぶ 知的交流術
知的空間をもつ 知の空間術
--実践編 読み・考え・書くための技術11章
論文を書く 知的生産過程のモデル
あつめる 蒐集術
さがす・しらべる 探索術
分類する・名づける 知的パッケージ術
分ける・関係づける 分析術
読む 読書術
書く 執筆術
考える 思考の空間術
推理する 知的生産のための思考術
疑う 科学批判の思考術
直感する 思想術
さまざまな巨匠たちの思考術・思想術 発想法カタログ
「本を読む」ということに限って言えば、佐藤優の「読書の技法」が具体的で役立つのだが、本書では、そんな技術が、読書に限らず、情報の収集から整理、私淑の心構えに至るまで、実践可能な具体的な手法として提示されている。さらには、それらの技術がゲーテや森鴎外、ポール・ヴァレリーなどによっても使われていた例を、彼らの日記などから拾い上げて紹介してくれる。刺激も受けるし、具体的なノウハウも見つけられるし、発想を柔軟にしてくれるヒントも散りばめられている。自分の中では、この分野のベスト3の1冊です。
知的トレーニングの技術 花村太郎
思考の整理学 外山滋比古
知的複眼思考法 苅谷剛彦
【目次】
イントロダクション 知的スタート術
--準備編 知的生産・知的創造に必要な基礎テクニック8章
志をたてる 立志術
人生を設計する 青春病克服術
ヤル気を養う ヤル気術
愉快にやる 気分管理術
問いかける 発問・発想トレーニング法
自分を知る [基礎知力]測定法
友を選ぶ・師を選ぶ 知的交流術
知的空間をもつ 知の空間術
--実践編 読み・考え・書くための技術11章
論文を書く 知的生産過程のモデル
あつめる 蒐集術
さがす・しらべる 探索術
分類する・名づける 知的パッケージ術
分ける・関係づける 分析術
読む 読書術
書く 執筆術
考える 思考の空間術
推理する 知的生産のための思考術
疑う 科学批判の思考術
直感する 思想術
さまざまな巨匠たちの思考術・思想術 発想法カタログ
2015年10月10日土曜日
検証 「イスラム国」人質事件 朝日新聞取材班 (著)
・当時イスラム国人質事件に関わった国内外の朝日新聞の記者達が当時の記録や、その後の取材活動をまとめ上げたもの。総じて、官邸の対応については直接的な批判を避け、事実をして淡々と語らしめるという体裁を取っている。
・事件後に政府は有識者による事件お検証を行ったが、お手盛り感が強い。
・後藤さんと湯川さんがISに囚えられていることを知っていながら安倍首相が中東において挑発的と取られても仕方がない言い回しを不不用意にした。
・ISとの交渉に、ブラック感アリとは言え、パイプが強いトルコを頼らずにヨルダンを頼った。
・ISとの直接交渉は後藤さんの奥さんだけが行い、日本政府は一切関与しなかった。奥さんは、後藤さんが入っていた紛争地域に赴くジャーナリスト用の結構高い保険(1日10万程度で、掛け捨て)を使って、これも後藤さんが築き上げた人脈から、オーストラリアのコンサルタントに依頼して、ISとの交渉を行っていた。
・なお、ISから後藤さんの奥さんに宛てた最初のメールは迷惑メール扱いで気づかれなかったという。
【目次】
第1章 湯川さんの拘束
第2章 後藤さんのシリア入り
第3章 妻へのメール
第4章 中東の悪夢
第5章 翻弄
第6章 渦中のヨルダン
第7章 連鎖する死
第8章 幕引き
・事件後に政府は有識者による事件お検証を行ったが、お手盛り感が強い。
・後藤さんと湯川さんがISに囚えられていることを知っていながら安倍首相が中東において挑発的と取られても仕方がない言い回しを不不用意にした。
・ISとの交渉に、ブラック感アリとは言え、パイプが強いトルコを頼らずにヨルダンを頼った。
・ISとの直接交渉は後藤さんの奥さんだけが行い、日本政府は一切関与しなかった。奥さんは、後藤さんが入っていた紛争地域に赴くジャーナリスト用の結構高い保険(1日10万程度で、掛け捨て)を使って、これも後藤さんが築き上げた人脈から、オーストラリアのコンサルタントに依頼して、ISとの交渉を行っていた。
・なお、ISから後藤さんの奥さんに宛てた最初のメールは迷惑メール扱いで気づかれなかったという。
【目次】
第1章 湯川さんの拘束
第2章 後藤さんのシリア入り
第3章 妻へのメール
第4章 中東の悪夢
第5章 翻弄
第6章 渦中のヨルダン
第7章 連鎖する死
第8章 幕引き
登録:
投稿 (Atom)