今年、特に印象に残った本は次の通り。
「ウェブ社会のゆくえ」
社会生活を営む上でどんどんウェブが侵食してきており、筆者はそのことを「現実の多孔化」と捉え、従来型のコミュニティの存立パラダイムを揺るがしていると見る。
「レイヤー化する世界」
「ウェブ社会のゆくえ」と分析しているところは似ているが、本書はコミュニティではなく、個人のこれからの世界との向き合い方について前向きな提言をしている。
「㈱貧困大国アメリカ」
三部作の完結編。三部作のどれを読んでも明るい気持ちにはなれないが「奴らは本気だ、だから自分達も本気で対応しないと」という気持ちを喚起してくれる。
「詩歌と戦争」
詩歌が大衆の間に及ぼす「空気」感と、戦争への道について、北原白秋を中心に検証した作品。そう、軍部の暴走だけの責任ではないのだ。全ての責任を、そういう形で擦り付けてしまったら、同じことが繰り返される。
「ウルトラマンが泣いている」
円谷一族による身内の恥晒し暴露本。今、円谷プロには円谷一族の血はもうないらしい。そのことに全く寂しさを感じないわけではないが、正直、どうでもいい。円谷の子孫がウルトラマンを守り、その世界を全うできなかったのであれば、普通の法人としてマトモな組織になっていってくれればよいとさえ思う。
「記憶をコントロールする」
面白いが、果てしなく恐い。光信号で記憶の改ざんができてしまう!
・あと、今年発刊ではないが、特別枠として「ストレスフリーの整理術」
仕事のタスクをスマートにさばけない自分にとってのバイブル。何度も読み返しているが、読み返す度に発見がある。本書が他のライフハック系や仕事術本と一線を画すのは、背骨がきちんと通っているという点。他書が帰納的とすれば本書は演繹的。著者のD.アレンがその思想的バックボーンを構築するには多分に帰納的なプロセスを経てはいるが、彼からのアウトプットであるGTDについては完全に演繹的だ。
アレンさんの本は3冊、翻訳されているが、まずは基本書、そして「実践」。中古でえらく安く売られている「仕事術」だが、基本書と「実践」を読んだ後で読めば、アレン的GTDを応用するワークブック的にも使える、中身の詰まった本なので、是非。
アレンさんの本は3冊、翻訳されているが、まずは基本書、そして「実践」。中古でえらく安く売られている「仕事術」だが、基本書と「実践」を読んだ後で読めば、アレン的GTDを応用するワークブック的にも使える、中身の詰まった本なので、是非。
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