2013年1月3日木曜日

スギハラ・サバイバル 手嶋 龍一 (著)

・前作「ウルトラ・ダラー」のコンビがまた活躍!というような帯なんだが、相変わらず「インテリジェンス」小説なので、イマイチ地味。ただし、そこで披露されている歴史の裏側の描写や、現在進行形と思われるインテリジェンスの片鱗については、一つ一つが面白い。特に、終盤で語られるオバマを狙う黒い悪意というのは、手嶋さんがラジオ番組の中でも言及していたことなので、かなり現実性の高いインテリジェンスなのかも知れない。

・スティーブンもマイケルも、そこそこ魅力的だけど、「またこの二人の活躍が見たい!」というほどの動きがないんだよなあ、何と言っても頭脳プレイだから。この辺りはアクション映画好きな単純な自分には、ちょっと物足りないところ。

・ソフィーの人生については、もう少し語ってほしかったかも。なお、タイトルの割には杉原千畝に関する描写がちょっと少なくい印象。

・それにしても、手嶋さん自身は北海道出身なんだが、前作でも今作でも、妙に関西弁のおっさんが活躍と言うか魅力的に書かれてるなあ。

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