2013年1月20日日曜日

ガメラ監督日記 金子 修介(著)

【ノート】
・平成ガメラ3部作の金子監督が詳らかにするガメラの製作裏話。対象となるのはG1とG2。また、殆どがG1に関する部分、それも企画スタートからクランクインまでの舞台裏がメイン。

・ガメラに対する思いを、とりたてて飾ることなく淡々と語りつつ、それでも紡いでみたい怪獣映画への思いが語られている。また、大映サイドの思惑や配慮、思いも描かれており、しかも、それに対して金子さんは理解を示しつつ、譲れる部分と譲れない部分を結構バランス取りながら進めていったような描写がある。ちなみに、出資してる日テレと博報堂からの横槍はなかったんだろうか?

・少し脱線するけど、ウルトラマン陣営における電通、仮面ライダー陣営におけるアサツーなど、こういう代理店ってのは、どの程度、作品への影響力を持ってて、行使してるものなんだろう?

・金子監督が押井守の後輩とは初めて知った。ご本人の監督としての来し方も少し振り返りながら、ところどころに炸裂する金子さんの映画に対する哲学や怪獣モノに対する視点というのが、また面白い。

・G2は戦争シミュレーション映画と何かで読んだが、金子さん自身も本書でその言語を使っている(もしかしたらご本人が出典なのかも知れないが)。そうなると避けては通れない自衛隊の描き方というのが問題になってくる。曰く「日本で戦争のことを描くのは50年経っても結構難しい、ということが改めてわかったのである。(P248)」意外なところで加藤典洋の「さようなら、ゴジラたち」とのつながりが見えてきたのも収穫の一つ。

  

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