15分ほどでサラリと読了。ちくまプリマーなので、高校者向けの入門書といった内容。ほぼ既知の事柄ばかりだったが、この手の分野に疎い読み手にはかなりもよい入門書。感情とどうやってうまく付き合うかということなのだが、古典的なものからマインドフルネスまで網羅しているし、感情について考えるときには必ずその根底に横たわっている自分の価値観や思い込みを見つめる必要があるのだが、カーネマン、サルトルなどの置石もされている。サラリと読めるし、いいんじゃないですか。これで物足りなかったら久世浩司さんがオススメ。
2017年2月25日土曜日
2017年2月11日土曜日
アイデア大全―創造力とブレイクスルーを生み出す42のツール 読書猿
「読書猿」の本ということで買うことには間違いなかったが、読む本が山積状態なのでしばらくしてからと思ったが、本屋でページをめくったら即買い!早くも今年のナンバーワン候補。自分には発想法や仕事術について「3種の神器」とも言うべき本があって、それは「知的トレーニングの技術」、「複眼思考の方法」、「ストレスフリーの整理術」なのだが、本書は間違いなくそこに連なる。
一見、企画関係やマーケター向けのアイデア指南本の体を取ってるけど、そこで判断してはいけません。頭のこね方を微に入り細に入り手ほどきしてくれる。しかも手ほどきだけではなく、その方法の根底にある思想や考え方なんかも教えてくれるのだからありがたい。テーマによっては関連する本の簡潔なまとめとしても読める(ゴールドラットとか)。また、手を使って書くという身体性の効用がほぼ全編にわたって展開されている。
紹介されている内容には少し玉石混交な感もあるが、これは今後の自分の関心や心の状態に応じて変わっていくのだと思う。それだけの深さを持った本。ただ、著者の読書量からすると、参考文献の紹介が意外と少ない印象。これはあえて抑えたのかな?
この本自体、著者がサイトでも重要書として言及している花村太郎の「知的トレーニングの技術」の発展的フラクタル(変な言葉?)と言えるか。
佐藤優辺りを震源地として最近は「技法」本流行りだけど、本書は間違いなく本当の技法を伝授してくれる本。ただし、本書はアイデアや発想がテーマなので、今後は他のジャンルでの続編を強く希望したい。
それにしても、何で黄色なんだろう?表紙だけでなく中身のページも黄色。あと、ちょっと紙の独特の匂いが強くて気分が悪くなる時がある。
一見、企画関係やマーケター向けのアイデア指南本の体を取ってるけど、そこで判断してはいけません。頭のこね方を微に入り細に入り手ほどきしてくれる。しかも手ほどきだけではなく、その方法の根底にある思想や考え方なんかも教えてくれるのだからありがたい。テーマによっては関連する本の簡潔なまとめとしても読める(ゴールドラットとか)。また、手を使って書くという身体性の効用がほぼ全編にわたって展開されている。
紹介されている内容には少し玉石混交な感もあるが、これは今後の自分の関心や心の状態に応じて変わっていくのだと思う。それだけの深さを持った本。ただ、著者の読書量からすると、参考文献の紹介が意外と少ない印象。これはあえて抑えたのかな?
この本自体、著者がサイトでも重要書として言及している花村太郎の「知的トレーニングの技術」の発展的フラクタル(変な言葉?)と言えるか。
それにしても、何で黄色なんだろう?表紙だけでなく中身のページも黄色。あと、ちょっと紙の独特の匂いが強くて気分が悪くなる時がある。
やり抜く力 GRIT(グリット) アンジェラ・ダックワース (著)
週刊ダイヤモンドの店員書評で読みたくなった。具体的なトレーニングもあるとかって書いてあったので。さらに、Y村君との話で「グリット」がキーワードとして出てきたのだが、そういう「やり抜く力」は自分には足りないなあということを再認識したタイミングでもあったので、期待して読んでみたのだけど、しまった、飛びついて買うほどの内容ではなかった!!
「やり抜く力」の中身については、中村天風さんを読んだことがあれば既視感がすごい。「やり抜くには、好きなことでなければダメ」なんていう、そりゃそうでしょうけど、それって、改めて力説して教えていただくようなことでしたっけ?と絶句してしまうようなお言葉も。しかも、どちらかと言えば「好きじゃないことでもやり抜ける力」の涵養方法を期待していた。さらには、ちょっと気の利いたライフハック系のサイトでは常識となっているようなTipsをアンソロジー的に蒐集してみたような側面も(「習慣化が大事」とか)。
とは言え、本書はHONZやForbes Japanが主催している「ビジネス書グランプリ2017」の「ビジネススキル部門:で第1位。う〜ん、自分の感覚がズレてるんでしょうかね。
「やり抜く力」の中身については、中村天風さんを読んだことがあれば既視感がすごい。「やり抜くには、好きなことでなければダメ」なんていう、そりゃそうでしょうけど、それって、改めて力説して教えていただくようなことでしたっけ?と絶句してしまうようなお言葉も。しかも、どちらかと言えば「好きじゃないことでもやり抜ける力」の涵養方法を期待していた。さらには、ちょっと気の利いたライフハック系のサイトでは常識となっているようなTipsをアンソロジー的に蒐集してみたような側面も(「習慣化が大事」とか)。
とは言え、本書はHONZやForbes Japanが主催している「ビジネス書グランプリ2017」の「ビジネススキル部門:で第1位。う〜ん、自分の感覚がズレてるんでしょうかね。
アンジェラ・ダックワース ダイヤモンド社 2016-09-09
中村 天風 日本経営合理化協会出版局 2001-12
人口と日本経済 - 長寿、イノベーション、経済成長 (中公新書) 吉川 洋
週刊ダイヤモンドの新年号で、2016年の経済書ベストを発表してて、本書は堂々の第1位。しかも人口なので、これは読まないわけにはいかんでしょということで読んでみた。
主旨は、(先進国の)経済成長は人口で決まるものではなく、イノベーションによるということ(P89)。人口が少なくても「大人の紙オムツ」のようにイノベーションを起こして市場を創出すれば経済成長はできるということ。
感想としてはイマイチでした。イノベーションの例が「大人の紙オムツ」って辺りに、著者の年齢的制約を感じるというのは別にしても、統計資料をもとに説明した後に出てくる結論に、論理的な接合を感じられなかった。人口学の歴史の概説にも統計の説明にも文句はないし、主張したいことにもそれほど異論はないけど、両者はつながってないですよね?という感じ。
なお、もう一つ、違和感を感じた例を。著者がイノベーションの例としてイノベーションの例としてスターバックスを挙げてる(P77)のだけど、これでつぶれた町の喫茶店多数なんだろうから「市場の創出」ではなく単なるゼロサムでの取り合いじゃないんでしょうか?(創出した側面もあるけど)
また、本書では、ピケティの「格差拡大を是正するために再配分が大事」という主張は、今や肯定する人が少ないと記述している(P88)が、そうなのか?決めつけが過ぎるような気がする。それに「生産性より分配の問題なのだ!」という意見(お師様)の方が自分には説得力がある。
これで昨年の経済書No.1っておかしくない?と思ったが、著者は結構エラい先生らしい。「ダカラカー」。だったらつまらんぞ、週刊ダイヤモンド!(正確に言うと、選考は編集部じゃなくて大学の先生やアナリストによる投票結果らしいけど)
主旨は、(先進国の)経済成長は人口で決まるものではなく、イノベーションによるということ(P89)。人口が少なくても「大人の紙オムツ」のようにイノベーションを起こして市場を創出すれば経済成長はできるということ。
感想としてはイマイチでした。イノベーションの例が「大人の紙オムツ」って辺りに、著者の年齢的制約を感じるというのは別にしても、統計資料をもとに説明した後に出てくる結論に、論理的な接合を感じられなかった。人口学の歴史の概説にも統計の説明にも文句はないし、主張したいことにもそれほど異論はないけど、両者はつながってないですよね?という感じ。
なお、もう一つ、違和感を感じた例を。著者がイノベーションの例としてイノベーションの例としてスターバックスを挙げてる(P77)のだけど、これでつぶれた町の喫茶店多数なんだろうから「市場の創出」ではなく単なるゼロサムでの取り合いじゃないんでしょうか?(創出した側面もあるけど)
また、本書では、ピケティの「格差拡大を是正するために再配分が大事」という主張は、今や肯定する人が少ないと記述している(P88)が、そうなのか?決めつけが過ぎるような気がする。それに「生産性より分配の問題なのだ!」という意見(お師様)の方が自分には説得力がある。
これで昨年の経済書No.1っておかしくない?と思ったが、著者は結構エラい先生らしい。「ダカラカー」。だったらつまらんぞ、週刊ダイヤモンド!(正確に言うと、選考は編集部じゃなくて大学の先生やアナリストによる投票結果らしいけど)
ビッグデータと人工知能 - 可能性と罠を見極める (中公新書) 西垣 通
西垣センセーの情報学のテキストは、難しそうな面構えの割に読みやすい印象があったので、本書も期待して読み始めたのだが、人間と人工知能との比較検討が乱雑。特に中盤から終盤にかけてはその印象が強い。
例えば。
芸術は過去にないものを創り出すものだが、人工知能は過去のパターンから持ってくるだけなので、よって芸術は人間によってしか可能たり得ないというくだりがある。著者のお仕事と本書の性格から言って、では、人間が芸術を創り出す時の知能のプロセスが、人口知能のそれと、どう違うのかということを提示してくれて然るべきでわ?
ただし、人工知能肯定派(カーツワイルとか)は、まだ解き明かされていない人間の知能の働きを、モデル化という形で単純化したまま、処理速度の向上を以ってシンギュラリティの強力な論拠としているが、それでは知能の働きの大事な部分がこぼれ落ちたままになるという主張には強く同意。とは言え、色々なものの解像度が粗くなっていくのは、例えば音楽のアナログ→デジタルへの移行やインスタント食品なんかとも共通な現象なので、文明の発展の必然なのかもという気持ち(諦念に近い)もあるけど。
それと同時に、人工知能に感情や心がないと断定はできんでしょうとも思う。人間だって、人体を構成している物質は分かってるけど知能や心の働きは未解明。もしかしたら未知の物質なり引力・斥力の働きによる動的生成なりで動いているのかも知れない。だから、トランジスタやシリコンでできているものにも「心」の動きがあるかも知れない。戦国魔神ゴーショーグンで「機械は友達!」とかって言ってたアレだ(違うか)。
AI礼賛なバラ色SF未来への批判的論旨をふむふむと首肯しながら読み進めていったら、あれれ?肝心なところの紐解きはスルーですか?というのが散見される印象。ただし、読む価値はある本だと思う。
例えば。
芸術は過去にないものを創り出すものだが、人工知能は過去のパターンから持ってくるだけなので、よって芸術は人間によってしか可能たり得ないというくだりがある。著者のお仕事と本書の性格から言って、では、人間が芸術を創り出す時の知能のプロセスが、人口知能のそれと、どう違うのかということを提示してくれて然るべきでわ?
ただし、人工知能肯定派(カーツワイルとか)は、まだ解き明かされていない人間の知能の働きを、モデル化という形で単純化したまま、処理速度の向上を以ってシンギュラリティの強力な論拠としているが、それでは知能の働きの大事な部分がこぼれ落ちたままになるという主張には強く同意。とは言え、色々なものの解像度が粗くなっていくのは、例えば音楽のアナログ→デジタルへの移行やインスタント食品なんかとも共通な現象なので、文明の発展の必然なのかもという気持ち(諦念に近い)もあるけど。
それと同時に、人工知能に感情や心がないと断定はできんでしょうとも思う。人間だって、人体を構成している物質は分かってるけど知能や心の働きは未解明。もしかしたら未知の物質なり引力・斥力の働きによる動的生成なりで動いているのかも知れない。だから、トランジスタやシリコンでできているものにも「心」の動きがあるかも知れない。戦国魔神ゴーショーグンで「機械は友達!」とかって言ってたアレだ(違うか)。
AI礼賛なバラ色SF未来への批判的論旨をふむふむと首肯しながら読み進めていったら、あれれ?肝心なところの紐解きはスルーですか?というのが散見される印象。ただし、読む価値はある本だと思う。
2016年12月31日土曜日
2016年の読書
今年の読了本は193冊。昨年の読了本は140冊。今年は「この一冊」を選びきれない。これは理解が浅薄であることを昨年以上に痛感し始めていることによるもので、その原因は、やはり友人達のお陰。自分の理解が、いかに浅いかということを自覚させられることしきり。というわけで、来年は冊数の目標はあえて立てずに、質的な充実を目指します。
来年も1ヶ月10冊、120冊を量的な目標としつつ、1カ月に1冊は「これ!」という本を精読することを課題とする。だから年末には少なくとも12冊は、その内容について自信を持って語れる本ができてなくてはいけないってことになる。やっぱ読んだ本について、読んでない人にツッコまれて返答できないってのはカッコ悪いよね。
そんな中、まぁ、今年読んで面白かったよ?と、おずおずとオススメするのが以下の5冊。
[地政学で読む世界覇権2030]
アメリカは偉大であり、でもそれはアメリカ人がエラかったからではなく、アメリカの国土が持つ地政学的な性能にのみ拠っているという、一見、トンデモな知見を、古代から現代までの文明の発展において地理が果たした役割を抽象しながら展開する本。さらには未来予想も、やっぱりアメリカだけがグレートと声高に主張している。この人にかかれば、別にトランプに頼らなくてもアメリカサイコー、ということになる。
[感情で釣られる人々]
感情が理性に負けてしまうトホホな局面に関するハウツー本かと思ったら、感情をダシに、うまく操られちゃってる我々の現状についてだった。バタイユを視野に入れながらの議論ということで、ちゃんと読まなきゃと思ったが、本書の白眉は理性的な文明人でいるための手法としてGTDを取り入れていること。その一事を以て姜尚中なんかが帯で本書を絶賛してるが、それはセンセー、ちょっと勉強不足カモです。
[リスク・リテラシーが身につく統計的思考法]
お師様からお借りした本。統計には全く弱いのだが、本書が主張するのは%が出てきたら具体的な数字に置き換えて考えるとダマサれにくくなるよということ。
[憲法の無意識]
日本人が憲法に対して無意識に持っているものは明治時代ではなくて江戸時代でしょ、という本。「先行形態」について学ばせてもらったのが大きい。また、カントの「永遠平和のために」で述べられている、ある意味恐ろしいほどの現実主義的な視点も勉強になった、とかって言わないで、原典にあたれって話か(笑)。
[ウルトラマン・デュアル]
札幌図書館一番ノリで読んだ。円谷プロのウルトラマンワールド多角化の尖兵と言える、老舗早川書房とのコラボ企画第2弾。短編集だった前作とは違い、本書は読み応えのある書き下ろし長編。
金子監督の平成ガメラが成功をおさめたのは、それが単なる怪獣パニック映画だったのではなく、自衛隊を中心に、人間社会の反応をシミュレーション的に描いて見せたのが大きな要因の一つだと言われているが、本作もそれに近い。苦悩しつつギリギリの妥結点を探る官僚達のやり取り。簡単になびく国民感情やレジスタンス。「いじめ」のメタファーでもあるヴェンダリスタ星人の地球人支配。戦闘地域を一歩でも出たら、ウルトラマンであっても自衛隊は攻撃せざるを得ないという切ないバランスゲーム。この辺りの重たい政治シミュレーションを読んでいると、脳天気なフツーのウルトラマンのストーリー展開がありがたく思えてきて戸惑った(苦笑)。ちなみに、そう考えると、やはりシン・ゴジラのバランス感覚はすごいということなのかも。ちょっと最後のカタルシスに欲求不満が残るが、最近、面白さを増してきている円谷陣営の動きを知っておくという意味でもオススメ。
来年も1ヶ月10冊、120冊を量的な目標としつつ、1カ月に1冊は「これ!」という本を精読することを課題とする。だから年末には少なくとも12冊は、その内容について自信を持って語れる本ができてなくてはいけないってことになる。やっぱ読んだ本について、読んでない人にツッコまれて返答できないってのはカッコ悪いよね。
そんな中、まぁ、今年読んで面白かったよ?と、おずおずとオススメするのが以下の5冊。
[地政学で読む世界覇権2030]
アメリカは偉大であり、でもそれはアメリカ人がエラかったからではなく、アメリカの国土が持つ地政学的な性能にのみ拠っているという、一見、トンデモな知見を、古代から現代までの文明の発展において地理が果たした役割を抽象しながら展開する本。さらには未来予想も、やっぱりアメリカだけがグレートと声高に主張している。この人にかかれば、別にトランプに頼らなくてもアメリカサイコー、ということになる。
[感情で釣られる人々]
感情が理性に負けてしまうトホホな局面に関するハウツー本かと思ったら、感情をダシに、うまく操られちゃってる我々の現状についてだった。バタイユを視野に入れながらの議論ということで、ちゃんと読まなきゃと思ったが、本書の白眉は理性的な文明人でいるための手法としてGTDを取り入れていること。その一事を以て姜尚中なんかが帯で本書を絶賛してるが、それはセンセー、ちょっと勉強不足カモです。
[リスク・リテラシーが身につく統計的思考法]
お師様からお借りした本。統計には全く弱いのだが、本書が主張するのは%が出てきたら具体的な数字に置き換えて考えるとダマサれにくくなるよということ。
[憲法の無意識]
日本人が憲法に対して無意識に持っているものは明治時代ではなくて江戸時代でしょ、という本。「先行形態」について学ばせてもらったのが大きい。また、カントの「永遠平和のために」で述べられている、ある意味恐ろしいほどの現実主義的な視点も勉強になった、とかって言わないで、原典にあたれって話か(笑)。
[ウルトラマン・デュアル]
札幌図書館一番ノリで読んだ。円谷プロのウルトラマンワールド多角化の尖兵と言える、老舗早川書房とのコラボ企画第2弾。短編集だった前作とは違い、本書は読み応えのある書き下ろし長編。
金子監督の平成ガメラが成功をおさめたのは、それが単なる怪獣パニック映画だったのではなく、自衛隊を中心に、人間社会の反応をシミュレーション的に描いて見せたのが大きな要因の一つだと言われているが、本作もそれに近い。苦悩しつつギリギリの妥結点を探る官僚達のやり取り。簡単になびく国民感情やレジスタンス。「いじめ」のメタファーでもあるヴェンダリスタ星人の地球人支配。戦闘地域を一歩でも出たら、ウルトラマンであっても自衛隊は攻撃せざるを得ないという切ないバランスゲーム。この辺りの重たい政治シミュレーションを読んでいると、脳天気なフツーのウルトラマンのストーリー展開がありがたく思えてきて戸惑った(苦笑)。ちなみに、そう考えると、やはりシン・ゴジラのバランス感覚はすごいということなのかも。ちょっと最後のカタルシスに欲求不満が残るが、最近、面白さを増してきている円谷陣営の動きを知っておくという意味でもオススメ。
2016年11月6日日曜日
エデン (ハヤカワ文庫SF文庫) スタニスワフ レム
高校の頃、立て続けにレムを読んでいた時期があり、本書もハードカバー版(しか当時はなかった)で読んだはずなのだが、全く内容を覚えていなかった。スタニスワフ・レムは何度か映画化された「ソラリスの陽のもとに」の原作者で、ポーランドのSF作家。人間の価値観や思考体系を超越した異星の生命体との邂逅をテーマにした「ファーストコンタクト三部作」で世界的に有名になった。本作はその第1作目で、この後に「ソラリス」「砂の惑星」が続く。
惑星エデンへの不時着を余儀なくされた宇宙飛行士たち。面子はコーディネーター、サイバネティシスト、ドクター、物理学者、化学者、技術者の6名。幸いにもエデンの大気構造は地球と似たものだったので、宇宙船の修理と並行して、限られたリソースを有効活用してエデンの探索を開始する面々。精巧な人工構造物が発見され、明らかに高度にオートメーション化された「何か」の生産プロセスが稼働しているのだが、工場の中には、なかなかにグロい有機生命体の死骸が累々と積み上げられていた。他にも、荒涼とした大地に生息する悪臭を放つ樹木(のようなもの)、空を飛ぶ哨戒機のような物体などが6人の前に出現する。正直言って、それぞれがどんな事象なのか、把握するのに骨が折れた。頭が固くなってるからかな。
それにしても6名の宇宙飛行士は、まさに人類の知性を代表したかと思えるほど知性的で忍耐強い。
惑星エデンへの不時着を余儀なくされた宇宙飛行士たち。面子はコーディネーター、サイバネティシスト、ドクター、物理学者、化学者、技術者の6名。幸いにもエデンの大気構造は地球と似たものだったので、宇宙船の修理と並行して、限られたリソースを有効活用してエデンの探索を開始する面々。精巧な人工構造物が発見され、明らかに高度にオートメーション化された「何か」の生産プロセスが稼働しているのだが、工場の中には、なかなかにグロい有機生命体の死骸が累々と積み上げられていた。他にも、荒涼とした大地に生息する悪臭を放つ樹木(のようなもの)、空を飛ぶ哨戒機のような物体などが6人の前に出現する。正直言って、それぞれがどんな事象なのか、把握するのに骨が折れた。頭が固くなってるからかな。
それにしても6名の宇宙飛行士は、まさに人類の知性を代表したかと思えるほど知性的で忍耐強い。
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