2013年1月27日日曜日

ウルトラマンマックス 視聴記-15(第24話)

第24話 「狙われない街」

 実相寺監督作品。オープニングからして、ちょっと違う。今回は明確にセブンの「狙われた街」の後日談という位置づけ。場所も同じ北川町で、もちろんメトロン星人。

 ケータイ文化の風刺がありつつ、単なる風刺に終わっていなくて、それがメトロンの戦術に組み込まれている。ただし、その目的は地球の征服ではないという辺りが「ねらわれない」の意味。

 メトロンは何と寺田農!仮面ライダーWの園咲琉兵衛でドーパントの総元締めをやる前にメトロン星人をやってたとは!実相寺さん作品の常連だからこそ成し得たキャスティングなんだろうか。

 いちいち画面を傾けたり歪ませたりするアングル、実相寺さんだなあ。でも、そのお陰で、なにげない風景まで変わって見えるのが面白い。「わたしがこの星の住人ではないからさ」なんて、寺田さんの言い回しの妙も相まって、カッコいいセリフだなあ。

 「メトロン?」「けんちゃん!」一体何なんだ、この辺りのくだりは(笑)。できれば、メトロンと下町の人々との交流シーンがもうちょっとあったら面白かった。

 「悪いやつじゃないんだ」とは刑事のケンちゃんのセリフだが、仮にも地球を征服しようとやってきた宇宙人が「悪いやつ」じゃないというのはどうよ?そんなケンちゃんは、街の荒廃にメトロンが怒っていると言うけど、つまり怒りを募らせているのはメトロンじゃなくて実相寺さん?

 前回と変わらず、下町でちゃぶ台をはさんでの対峙シーン。お茶を吹き出すカイトの演出、面白い。「おいちいー!」などと、ちょっとハジけた寺田農の演技も、どことなく江戸ッ子っぽい感じも入り交じって面白い。入り口にいたシーボーズやゴドラ星人は本物って設定?「悪さをしないで、さっさと去れ!」と力むカイトが、通り一辺倒のセリフしか言わない役人っぽくて、これ、実は狙ってる?常に犬や猫の鳴き声など外界の音が存在しているというのがまた味わい深い。セブンの時もそうだった。

 夕陽を浴びてたたずむ巨大化メトロン。ジョーンズじゃないけど、この惑星の夕焼けは美しい、ってところか。去りがたき思いもあったのかも。「陰影礼賛」などと口走るが、メトロンは谷崎潤一郎がお好きだったんですか。子供には分からんだろ!

 最後のミズキの「でも」のくだりは一体、何なんでしょう。幾ら何でもちょっとやり過ぎでは?これはウルトラQでやった実験的な作品以上に前衛的だよ。「胡蝶の夢」もそうだけど。「子供向け」の領域を超えすぎてやしませんか?とは言え、マックスの中でも必見エピソードであることに変わりはない。

 ところで途中で出てくる科学調査を行う機関、PSRIって、確信犯?(怪奇大作戦の「SRI」)。研究員も微妙に岸田森っぽいかも。

ちょいデキ! 青野 慶久(著)


【要約】
・サイボウズ社の社長(40代前半)による、すごい仕事術ではなくて、ちょっとした工夫でできる仕事術

【ノート】
・「新書がベスト」出だが忘れてた。家内が読んでいたので読んでみた。

・「実は他人を喜ばすことで、いちばん収穫を得ているのは自分なのです。」(P81)

・「自分にとってイヤな人は、自分を鍛えるトレーニング相手に最適です。」(P123)

・松山真之介という人の本紹介を参考にしているとのこと(P150)

・背中をもたれかけなければ三半規管への振動が伝わりにくくなり、乗り物酔いしにくくなる。(P193)

2013年1月26日土曜日

心を操る発声法 できる人は声を使い分けている 高山華奈 (著)

・図書館からのお知らせで知った(阪コミは面白そうな本を出版している印象があるので、図書館の「入荷お知らせ」に登録してる)。

・今回は久々のハズレ。声優の技を理解するのに役立つかと思ったのだが、新たな発見はほぼなかった(ゼロではない)。

・ツアコンにはどんな声が向いてて、詐欺師に向くのはどんな声、というようなことが書かれており、心理学的な感じがするが、その根拠は主観の域を出ていない。

・あとがきで「この本が単なる発声本ではなく、人の心の隙に入り込んでマインドコントロールしていく発声指南本だということにに気づいていただいたことでしょう」 って書いてる辺り、正直、「何言ってんの?」と思ってしまった。ただ、タイトルのあざとさから察するに、この辺りは編集者が書かせたんじゃないかなという気もする。

アダプト思考 予測不能社会で成功に導くアプローチ ティム ハーフォード (著)

【要約】
・生物(グッピーの例)のように、状況の変化に対応、アダプトしていく。
 ただし、今の社会は複雑で密結合になっており、失敗の連鎖がドミノのように巨体で制御不可能なものになることもある。
 よって、セーフクッションをはさみ、結合度合いをゆるめて複雑さを減らし、影響が限定的な状態で失敗を繰り返していくのがよい。

【ノート】
・何か当たり前のことしか言ってないような気もする。色々な実例は確かに示唆的ではあるが、それで?という感じ。ただし、成毛さんのブログを読むとちゃんと解説されてるので、これは自分との相性の問題か。

・どうも経済畑の本はこれまでに面白く読めたことがなくて、ボヤッとしており、イマイチ相性がよくない。これはひとえに自分の不勉強に起因するのだと思うけど。

2013年1月20日日曜日

税務署員だけのヒミツの節税術 - あらゆる領収書は経費で落とせる【確定申告編】 大村 大次郎(著)

【ノート】
・なかなか個人事業主には役に立つ知識が詰まってる。

・本書と前著を読むまでは全くの確定申告素人だったが、具体的な知識と、基本的な考え方について少し基礎ができたような気がする。後は実践あるのみか!いよいよ今年から確定申告デビューだ!

ガメラ監督日記 金子 修介(著)

【ノート】
・平成ガメラ3部作の金子監督が詳らかにするガメラの製作裏話。対象となるのはG1とG2。また、殆どがG1に関する部分、それも企画スタートからクランクインまでの舞台裏がメイン。

・ガメラに対する思いを、とりたてて飾ることなく淡々と語りつつ、それでも紡いでみたい怪獣映画への思いが語られている。また、大映サイドの思惑や配慮、思いも描かれており、しかも、それに対して金子さんは理解を示しつつ、譲れる部分と譲れない部分を結構バランス取りながら進めていったような描写がある。ちなみに、出資してる日テレと博報堂からの横槍はなかったんだろうか?

・少し脱線するけど、ウルトラマン陣営における電通、仮面ライダー陣営におけるアサツーなど、こういう代理店ってのは、どの程度、作品への影響力を持ってて、行使してるものなんだろう?

・金子監督が押井守の後輩とは初めて知った。ご本人の監督としての来し方も少し振り返りながら、ところどころに炸裂する金子さんの映画に対する哲学や怪獣モノに対する視点というのが、また面白い。

・G2は戦争シミュレーション映画と何かで読んだが、金子さん自身も本書でその言語を使っている(もしかしたらご本人が出典なのかも知れないが)。そうなると避けては通れない自衛隊の描き方というのが問題になってくる。曰く「日本で戦争のことを描くのは50年経っても結構難しい、ということが改めてわかったのである。(P248)」意外なところで加藤典洋の「さようなら、ゴジラたち」とのつながりが見えてきたのも収穫の一つ。

  

2013年1月19日土曜日

ルポ 貧困大国アメリカ 堤 未果 (著)

【要約】
・アメリカにおける貧困層の増大は社会的構造であり、それは軍隊への人員補充という国家的ニーズとも結びついている。

【ノート】
・災害対策、教育、医療、国が担うべき領域を「自由競争」の美名のもとに民営化し、その結果、効率/利益優先の形態になり、本来の対象であった国民のためのサービスから単なる営利活動になってしまった。

・例えば学校給食。アメリカ人の子どもに肥満が多いのは、運動もしないでジャンクフードばっかり食ってるからだと思っていたが、学校給食がカロリーだけ高くて栄養価の低いものを提供してコストを削っているからであって、肥満児童は貧困な環境の証という話。裕福な家庭の子どもは弁当を持たされると。

・例えば医療。出産するのに3日入院して200万円!そんな無茶苦茶な。

・借金までして大学/院まで卒業しても就職先がなく、学資ローンの債務だけは何と破産宣告しても消えない!追い詰められた人たちにとって軍隊への入隊が限られた、ほぼ唯一の選択肢になってしまう。そして、高校生にはじまり、借金に追われている壮年層にまで、聞こえのいい勧誘を行い、実態は全然違う職場=戦場に送り出される、という悲惨な状況が生産されている。しかも、それを行っているリクルーター達も、同じような境遇の貧困層の人々であるという構造には、救いがないようにしか見えない。

・さらには、軍隊ではなく、軍隊が外注している傭兵会社(例えばXeサービス社、本書内ではブラックウォーター社)で雇用すると軍人という縛りがなくなるため、ここでも実態とは違う勧誘文句による勧誘、労働の強制が行われている。「虐殺器官」や小島秀夫の「メタルギアソリッド4」で描かれていたものが想像の産物ではないことを知って戦慄した。

・アメリカという国は思ってた以上に深刻な状態であることを知った。日本て恵まれてるなあと感じてしまう。だが、米軍への勧誘はアメリカ国内に限定されてはいない。フィリピンや中国、インドでもリクルーターは暗躍している。もし、日本が似たような構造になっていき、我々が貧困層に転落し、養わければいけない家族がいたらどうするだろう?
 「もはや徴兵制など必要ないのです」「政府は格差を拡大する政策を次々に打ち出すだけでいいのです。経済的に追い詰められた国民は、黙っていてもイデオロギーのためではなく生活苦から戦争に行ってくれますから」(P177)

・この本が出版されたのが2008年で5年前だから、今はどうなっているのか。この本は続編も出ているので、是非読んでみよう。また、この本に対する批判本も出ているみたいなので、そちらも併せて読む必要がありそう。

・堤未果は「ラジオ版学問ノススメ」でも聞いたが、訥々と語る印象だった。9.11までは証券会社勤務だったらしい。

・余談だが、この「ラジオ版学問ノススメ」はPodcastプログラム。iPhone等のiOSだけでなく、今はAndroid用でもPodcastを購読できるので、通勤時間などにはオススメ。なお、パーソナリティーの蒲田さんは北大文学部。知り合いではないが、年齢的には自分と少し重なってたかも知れない。