2013年1月12日土曜日

ウルトラマンマックス 視聴記-13(第21〜22話)

第21話 「地底からの挑戦」

 タイトルからすると初代マンのゴルドンを想像させるが、正確なタイトルは「地底への挑戦」だから、方向が入れ替わっちょる。出てくる怪獣はゴルドンではなくゴモラ。

 最初に偶然ビデオカメラで撮影されたゴモラは小さくてペットサイズ。GSTEという怪しい団体に生物兵器として利用されているゴモラというのが今回の基本プロット。GSTEは「God Save The Earth」。どこぞの団体を揶揄してるのか。

 ウノ博士のマッドサイエンティストっぷりは、初代マンでジラースを育てた二階堂教授を連想させるが、あちらの方が純粋だったかな。

 切り落とした後のゴモラのしっぽに最初は苦しめられながら、それを武器として利用するマックス、状況に「アダプト」しちょる!こういう描写があるとマックスが戦闘のプロっぽく見える。

 ゴモラがちょっと可哀想と思える描写もあり、人間の都合で生物兵器として利用されてるだけという印象が残る。そう言えば初代マンの時でも見世物的な扱いだったな。

 それにしても、ウノ博士を憎む一人娘と閉じ込められてしまった後のヒジカタの演技はちょっと...。せっかくスポットがあたった回なのに。この辺りは本人の演技なのか演出なのか。

第22話 「胡蝶の夢」

 今回のキーパーソンを演じるのは何と石橋蓮司!本作の約5年後には「ディケイド」の映画で死神博士を演じることになるわけで、ベテランなのに何という姿勢なんだろ。どこかの対談(確か春日太一?)で、いつまでもチャレンジングな俳優でいたいということを語っていたが、これもそういう気持ちのあらわれなのかな。

 今回の石橋蓮司の役どころはテレビ番組ウルトラマンマックスの脚本家、蓮沼征夫。メタ・フィクション!オープニングからして、ちょっと違う。この辺りは監督が実相寺御大だからこそ許されるのか。

 寝ているうちに、カイトと蓮沼が夢の中で入れ替わる。カイトは怪獣の造型師の女に怪獣のアイディアを与えて、魔デウスの創出に一役買うことに。そのシーンを見ている蓮沼は、自分が担当しているマックスのシナリオにそれを描写していく。

 魔デウスが出現したマックスの世界と「こちら側」の世界とで入れ替わってしまったカイトと蓮沼。蓮沼のワープロの前に座っているカイト、DASHアルファの横で魔デウスの出現を目の当たりにしている蓮沼。DASHの制服を着ている石橋蓮司!

 今回も、カイトは素早く状況にアダプト。蓮沼にマックスへの変身を指示し、しかも、「向こう側」のマックスの世界を紡ぎ出している蓮沼のワープロに、マックスが戦う様子を素早く入力していく。すげえな、カイト。

 魔デウスのデザインはエヴァに出てきた第12使徒、レリエルっぽい感じも。球体の中から本体を割って脱出するというのも似てると言えば似てる。ちなみにエヴァのTVシリーズはマックスの約10年前。

 蓮沼は、今、我々がいる現実の世界に属している設定なのかと思っていたら、彼が打ち合わせ中に居眠りを始めると魔デウスが出現!慌てて起こす監督達。蓮沼も誰かの頭の中から生み出された存在?つまり、この「魔デウス」が今の我々の世界とリンクして出現する可能性もアリ?境界線が分からなくなってくる。「カイト」は「蓮沼」の夢なんだが、「胡蝶の夢」に託して語られてるように「蓮沼」が「カイト」の夢なのかも知れない。となると、「蓮沼」は我々の世界の夢なんだが、我々の世界は「蓮沼」の夢ということになるのか。

 これ、子供が見て分かる作品じゃないよな。でも強烈なインパクト(場合によってはトラウマ?)を残すことは確実。実相寺さんだからこそ許される作品という気がするが、これはプロデュース側の発案なのか、実相寺さんの発案なのか。いずれにせよ、プロデュース側の懐の深さが分かると言ってよいのではないか。

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