2012年12月18日火曜日

グーグル・アマゾン化する社会 (光文社新書) 森 健 (著)

【要約】
・一極集中がもたらす弊害、ネット上における世論への影響(沈黙のスパイラル)。

【ノート】
・「千夜千冊」で取り上げてることは後から知った。ちょっと嬉しい。
・「みんなの意見は案外正しい」が成立するには意見の多様性、独立性、分散性、集約性が必要。だが、ネットの現状を見ると、パーソナライズ機能と相まって、必ずしもこれらの要素が担保されているわけではない。
・結果として、ネット上におけるGoogleやAmazonの独占/寡占状態には潜在的な危険性がある。
 「あらかじめ予測された範囲のものだけが推奨され、自らの思考も意図せずして規定されている可能性もある」(P247)「情報は一極集中を起こし、自分の周囲のみならず、社会、経済、政治といったパブリックマターに、何らかの影響を及ぼす可能性がある」(P248)
・Googleなどが意図して情報へのバイアスや世論の形成を企図しているわけではないのだろうが、「影響力の武器」で説明されているような心理学の作用もあり、ネットにおける世論の形成には極端なバイアスがかかってしまうような構造的問題があることが指摘されていると読んだ。そして、それはなかなかに怖いことなのだと思う。
・さてさて、これから千夜千冊で正剛さんがこの本をどう読んだのかを見て、勉強させてもらおう。

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