2014年1月4日土曜日

はじめてのマルクス 鎌倉 孝夫 (著), 佐藤 優 (著)

・「資本論」を実は読んだことがない。そんな自分にとって、資本論が今、どのようなポジションにあるのかを対談形式で分かりやすく示してくれる良書だった。「資本論」への興味も喚起された。

・かつてソ連が西側陣営の対立軸として存在していた時は、資本側も、革命だけはイヤなので「譲歩」して自重していたが、今はそのタガが外れている状態。最近だと、イスラムの世界が対立軸としての存在感を増してきているということになるのだろう。

・「協同組合的なところの農場でつくっているものがあるとしたら、少し高いけど、それを買うとか。経済合理性に反する行為をあえてすること(P113)」が変革につながるという辺りは分かりやすかった。例えば安くておいしいコメが入ってきても、高くても国産のコメを買うというようなことで、今の資本主義社会の因果関係によって記述される歯車のような存在で在りたくなければ、その因果律に従わないということも必要だろう。ちなみに、これは岩波ジュニア新書の「動物を守りたい君へ」でも提唱されていた。それは資本主義がどうこうという話ではなくて環境保護という視点からではあったが、それでも根っこにあるものは共通している。

・188ページで読了に2時間。巻末の参考文献リストはあんまり充実したものでない。ただ、岩波の軽座学小辞典や哲学小辞典の存在を思い出させてくれたことが収穫。ちなみにブックオフで調べたら、ビックリするほど安かった。哲学小辞典 経済学小辞典

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